パグ太郎の<昭和の妖しい映画目撃者>

昭和の映画目撃談&時々その他いろいろ

【ホリデーロード4000キロ】ドタバタ過ぎて、今一つ面白くないコメディ

「アニマルハウス」(1978)を作ったアメリカのユーモア雑誌ナショナルランプーンの劇場映画第二弾「ホリデーロード4000キロ」(1983製作/1984日本公開) 公開当時、かなり期待してました。 アメリカでも大ヒットしたって話だったし。 だけど実際見たら、面…

【銀河伝説クルール】お子様向けファンタジー

SFブーム中に公開された映画の一本「銀河伝説クルール」(1983製作/1984日本公開) よくあるB級娯楽映画の一本。 プライムビデオの100円セールで見かけるまで、その存在をすっかり忘れてました。 遠い記憶を辿ると、手裏剣みたい武器を持った主人公のイメージ…

【フルメタル・ジャケット】キューブリックのベトナム戦争

映像作家として映画史に名前を刻まれてるスタンリー・キューブリック監督の戦争映画「フルメタル・ジャケット」(1987製作/1988日本公開)。 僕が初めてリアルタイムで見れたキューブリック映画です。 そして見た時は半分満足、半分不満でした。 今回見直し…

【マジック】不安が覆う映画。これはサスペンスか、それともホラー?

「羊たちの沈黙」(1991)のレクター博士で世界的な俳優となったアンソニー・ホプキンス。 でも彼は若い頃から、映画ファンの間ではそこそこ名が知れた、地味目の俳優でした。 そんな若かりし頃の彼が主演したのが今回レビューする「マジック」(1979)。 当…

【スキャナーズ】超能力者同士はこうじゃなきゃ+西柳ヶ瀬の思い出

僕の敬愛する監督、デヴィッド・クローネンバーグの出世作「スキャナーズ」(1981)。 彼はこの後、「ザ・フライ」(1986)を作ったりしますが、僕的には「ヴィデオドローム」(1983)や「裸のランチ」(1991)の不可解ぶりが好きてした。 今では作家性の高…

【エレファント・マン】「イレイザーヘッド」の格調高き弟

僕の敬愛するデヴィッド・リンチ監督のメジャー一作目「エレファント・マン」(1980製作/1981日本公開)。 公開された当時は、映画史に残る文芸作のような売り込みでした。 確かにアカデミー賞候補にもなってたし。(8部門ノミネート。受賞なし) でも、今で…

【類猿人ターザン(1981)】記憶に間違いなかった?!超凡作

子供の頃に見た映画の大半は、おおまかな印象と、どうでもいいシーンぐらいしか覚えてないです。 最近は、そのおおまかな印象が間違っているんじゃないかって思ってます。 特に「面白くない」っていう印象を持った映画は、「実は子供だったから、面白さが分…

【ソイレントグリーン】70年代的ディストピアの名作になり損なった作品

70年代ってディストピア映画が流行ってた気がします。 当時は公害問題や東西冷戦、フラワームーブメントの終焉などがあって、みんなが未来に不安を持ってたからでしょう。 (その頃、日本でも「ノストラダムスの大予言」が流行りましたねー) そんなディスト…

【未来惑星ザルドス】70年代ディストピアの一つの到達点

一応、未来世界を描いているのでSF映画ですが、映画マニアの分類は「カルト映画」。 それが「未来惑星ザルドス」(1974)。 SF映画・カルト映画マニアの間では超有名作ですが、僕がこの映画を初めて見たのは、実は一年前でした。 SF映画ファンを自認してるく…

【モリコーネ 映画が恋した音楽家】懐かしすぎて、また昔の映画が見たくなる

エンニオ・モリコーネ。 その名前は、昭和時代の洋画ファンには映画音楽の大御所として記憶されてます。 そんなエンニオ・モリコーネのドキュメンタリー、「モリコーネ 映画が恋した音楽家」(2021製作/2023日本公開)が、先日公開されました。 昭和の映画で…

【弾丸特急ジェット・バス】あまりにも70年代を感じさせるコメディ

多分、今はこんなコメディ映画って作られないんじゃないだろうか、って思われる一本が「弾丸特急ジェット・バス」(1976)。 子供の時に映画雑誌「スクリーン」で載った楽しそうなイラストのポスターを見て、「見てみたい!」と思ってた映画です。 今では誰…

【戦場のメリークリスマス】不覚にも胸が詰まったラストシーン

「戦場のメリークリスマス」(1983) 監督は大島渚さん。 海外での評価が高く、当時は「愛のコリーダ」(1976)でスキャンダラスなイメージがある監督でした。 主演も坂本龍一さん(当時YMO)とデヴィッド・ボウイということでも話題性は十分。 今でもテーマ…

【セント・エルモス・ファイアー】僕にとって最高峰の青春映画

「セント・エルモス・ファイアー」(1985製作/1986日本公開)。 思い出深い青春映画って何本もあります。 特に自分が10~20代だった80年代に集中しています。 「プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角」(1986)、「ヤングガン」(1988)、「メイド・イン・…

【悪魔の沼】ザラついた画面の、ザラついた質感のスプラッター

「悪魔のいけにえ」(1974)で、従来にないソリッド且つ直線的な残酷描写で、一躍有名になったトビー・フーバー監督。 彼が「悪魔のいけにえ」の次に撮ったのが、今回レビューする「悪魔の沼」(1977)。 ま、タイトルから分かる通り、これもホラー系映画で…

【ステイン・アライブ】散々な前評判よりもマシだった?

世の中には大ヒットした映画の続編なのに、ひっそりと忘れられてしまった作品が幾つもあります。 「ポセンドン・アドベンチャー2」(1979)、「サイコ2」(1983)、「グリース2」(1982)等など。 今回はそんなそんな作品の一つです。その名は・・・ 「ス…

【ガントレット】冴えない刑事を演じ損ねたイーストウッド

「ガントレット」(1977)はクリントン・イーストウッド主演・監督の刑事ドラマ。 「ダーティー・ハリー3」(1976)の翌年で、ダーティー・ハリー人気も一段落した頃です。 当時はやたら派手な銃撃戦が全面に押し出されてました。 初公開時に劇場で見たんで…

【ゴーストハンターズ】白人の間抜けさを笑う偽香港映画?

今回取り上げるのはジョン・カーペンター監督作「ゴーストハンターズ」(1986製作/1987日本公開)。 当時ヒットした「ゴーストバスターズ」(1984)にあやかったようなタイトルですが、現代は「Big Trouble in Little China」と全く関係ありません。 典型的…

【ハロウィン(1978)】あまりにもストレートなホラー映画のクラシック

「ハロウィン」(1978製作/1979日本公開) ジョン・カーペンター監督の出世作。 ジョン・カーペンター好きを自認してるのに、実はこの映画もキチンと正座して最初から最後まで全編通して見たことがありませんでした。 エセファンですね。 ごめんなさい。 今…

【ランディ・ローズ】貴重だけど、期待外れなドキュメンタリー

70年代後半~80年代にハードロックブームの洗礼を受けた人たちにとって、オジー・オズボーンは別格の存在。 特に彼の最初の2枚のアルバム「ブリザード・オブ・オズ」(1980)と「ダイアリー・オブ・ア・マッドマン」(1981)は金字塔です。 その2枚を金字塔…

【タワーリング・インフェルノ】これこそ、昭和の娯楽大作!

昭和の時代の僕らにとってパニック映画大作の代名詞と言えば「ポセンドン・アドベンチャー」(1972)と、この「タワーリング・インフェルノ」(1974製作/1975日本公開)。 ちなみにどっちのプロデューサーは、災害ドラマの帝王と言われたアーウィン・アレン…

【ポルターガイスト(1982)】ディズニーランド風お化け屋敷?

当時、「ポルターガイスト」(1982)を観た時は、めっちゃ面白くて、満足したおぼえがあります。 そんな映画を今回、PRIME VIDEOの100円レンタルで見ました。これも実に40年ぶりです! (あらすじ) 大規模開発の新興住宅地。開発会社のトップ営業マン一家は、…

【欲望】ミステリー風味のスタイリッシュ不条理劇

昔から気になってた「欲望」(1967)が、PRIME VIDEOで100円レンタルになってたので、見てみました。 監督が三大映画祭全てで受賞している名監督ミケランジェロ・アントニオーニってことで、ちょっと小難しいかな?と警戒してるところもありました。 (あらす…

【オデッサファイル】コンパクトにまとまったサスペンスの佳作

「オデッサファイル」(1974製作/1975日本公開)は、当時のベストセラー作品の映画化。 原作者は僕が学生時代ハマっていたフレデリック・フォーサイスです。 先に原作を読んでた僕は、「映画は、原作をシンプルにして、ちっちゃい話にしたダイジェスト版みたい…

【ネバーエンディングストーリー】子供も騙せないファンタジー

当時、鳴り物入りで公開されたファンタジー映画「ネバーエンディングストーリー」(1984製作/1985日本公開)。 原作は海外では有名な童話(?)「終わりなき物語」。 で、当時の率直な感想は「????」 その感想は正しかったのか?それとも若気の至りだった…

【エルム街の悪夢(1984)】中身はないってことでいいんですよね?

ネタとして有名な80年代のホラー映画って、何度もテレビで片手間に見てたりするんで、なんとなく見た気になってるものも多いんです。 よく考えたら、最初から最後までちゃんと通して見たことがなかったりします。 かの有名な「エルム街の悪夢」(1984製作/198…

【フェノミナ】生ゴブリンと若きジェニファー・コネリー

今回の映画は「フェノミナ」(1985)。 監督はイタリアン・ホラーの芸術家、ダリオ・アルジェント。 70年代に映画を見始めた人にとって忘れられない「サスペリア」(1977)の監督で、日本でも彼のマニアは多いです。 ダリオ・アルジェントと言えば、ゴブリン…

【ソルジャー・ストーリー】渋い人種格差サスペンス。

PRIME VIDEOで100円レンタルで見つけた「ソルジャー・ストーリー」(1984製作/1985日本公開)。 記憶の片隅にあった映画。 当時珍しい小型版のパンフレットが、我が家の本棚に眠ってました。 確か中野か吉祥寺の映画館で見た記憶があります。 でも残念ながら…

【2001年宇宙の旅】世紀の名作SFを劇場で!

「2001年宇宙の旅」(1969製作) 説明不要の名作ですね。 この映画をこのコラムで取り上げるのも、どうかと思います。 名作だけでなく、「オネアミスの翼」(1987)同様にレーザーディスクもブルーレイも持ってるし、何年に一度は見ている映画。 そんな映画を何…

【オネアミスの翼】個人的アニメベスト1はこれだ!

「エヴァンゲリオン」のガイナックスの第一回長編アニメ、「オネアミスの翼」(1987製作)。 正直、このブログの趣旨である「僕的に怪しい映画を見てみた!」から外れています。 普通に良いアニメだし、レーザーディスクもDVDも持っていて、何年に一度は定期的…

【クロスロード】今だから分かるブルースの面白さ

「クロスロード」(1986製作/1987日本公開)ってタイトルは、エリック・クラプトンもカバーしたロバート・ジョンソンの名曲「クロスロード」からの引用。 古いロックが好きな人には堪りませんね。 この映画は、まさにその「クロスロード」がネタの話。 製作…