パグ太郎の<昭和の妖しい映画目撃者>

昭和の映画目撃談&時々その他いろいろ

【処刑ライダー】予想したことがそのまま起こる80年代MTV復讐劇

きっとこうなるだろうなぁ、という展開がそのまま起こる映画、「処刑ライダー」(1986製作/1987日本公開)。 名前はオドロオドロしいですが、結構軽い映画です。 劇場公開前のプレビュー上映で見たんですが、その時の印象は・・・ 「箸にも棒にもかからない…

【ジェット・ローラー・コースター】正体不明の犯人と冴えない中年オヤジが盛り上げるサスペンス

70年代って小作品だけど、良質なサスペンス作品が多かった気がします。 大スターを使うわけではなく、内容で勝負するような作品ですね。 そんな一本が今回レビューする「ジェット・ローラー・コースター」(1977)。 劇場では見ていませんが、中学生か高校生…

【モンティ・パイソン 人生狂想曲(吹替版)】 広川太一郎さんのベテラン芸を見よ!(聞け?)

モンティ・パイソンと言えば、やっぱり吹替版!って言う話は、以前「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」(1975)で書きました。 pagutaro-yokohama55.hatenablog.com そしてモンティ・パイソンの吹替版と言えば、勿論昭和のTVバージョン。 と…

【恐竜・怪鳥の伝説】主役がとっても残念な日本流ジョーズ???

小学生の時、今は亡き豊富東映という、東映映画の封切館に掲げて立った看板を見ながら、こう思ったんです。 「怪獣じゃなくて、恐竜と怪鳥じゃ、ちょっとなぁ」 タイトルもストレート過ぎて、子供へのアピールが全然足りない気がしました。 その映画っていう…

【デストラップ 死の罠】面白いけど、竜頭蛇尾

登場人物の少ない密室ミステリーって、面白いですよね。 登場人物が少ない分、それぞれのキャラがはっきり分かるし、人間関係の描き方も濃密になります。 そんな期待をしちゃうのが「デストラップ 死の罠」(1982年製作/1983年公開)。 有名舞台の映画化だそ…

【サスペリアPART2】謎よりも雰囲気重視のサスペンス

「サスペリア」(1977)のダリオ・アルジェント監督のサスペンス映画「サスペリアPART2」(1975) 「ダリオ・アルジェント監督の最高傑作」と評する人もいるほどの作品です。 初公開時に劇場で見た時は、残酷シーンばっかり記憶に残って肝心な話がさっぱり残…

【風とライオン】渋くてカッコいい男を堪能出来る映画

子供の頃にテレビで見て、かっこいい!と思った映画の一本が「風とライオン」(1975製作/1976日本公開)。 ショーン・コネリーがアラブの族長を演じてます。 これがとっても似合ってるんですよ。 コスプレに見えない。 かなり男臭いドラマだった記憶のある、こ…

【コーマ】SFかと思ったら医療ミステリーだった

「コーマ」(1978) これも子供の頃に雑誌スクリーンでポスターを見て以来、気になってた作品。 だって天井から吊るされた人たちが並ぶ薄暗い部屋なんですよ。 (下に貼ったポスター参照) ワクワクするじゃないですか。 きっとかっこいい近未来SFだって思うじ…

【ムーンエイジ・デイドリーム】マニアのためのデヴィッド・ボウイ学

デヴィッド・ボウイ財団唯一の公式ドキュメンタリー「ムーンエイジ・デイドリーム」(2022年製作/2023年日本公開)。 デヴィッド・ボウイ好きとしては、やはり見ておかないといけません。 そこで横浜・伊勢佐木町にあるミニシアター、ジャック&ベティに行っ…

【スターダスト】実話の映画化だけど、実話である必要はあったのか?

2020年の映画だけど、舞台設定が70年代なのと、個人的に好きなミュージシャン、デヴィッド・ボウイの話なので、レビューします。 若きデヴィッド・ボウイを主人公にした映画「スターダスト」(2020年製作/2021年日本公開)。 4枚目のアルバム「ハンキー・ド…

【トワイライトゾーン/超次元の体験】当時の人気監督たちが個性を出したオムニバス

「トワイライトゾーン/超次元の体験」(1983製作/1984日本公開)はスピルバーグ製作・監督という売り込みで大々的に宣伝されました。 実際はスピルバーグ監督を含む、当時の人気監督4人のオムニバス映画。 元ネタは1950年代の超有名テレビドラマ「トワイラ…

【ミスタ-・アーサー】酔っ払いのおとぎ話???

主題歌ぎ大ヒットした、80年代を代表するコメディ映画「ミスター・アーサー」(1981)。 2011年にリメイクもされました。(日本未公開ですが) 当時、劇場で見たんですが、そこそこ面白かった印象があります。 主演は僕が好きなダドリー・ムーア。 共演はミ…

【狼たちの午後】舞台劇のような濃密な人間ドラマ

70年代の大スター、アル・パチーノ。 80年代以降も定期的に出演して、比較的質の高い映画に出続けてます。 そんな彼の人気絶頂期の一本が、この「狼たちの午後」(1975製作/1976日本公開) 原題は「犬の日の午後」。これは猛夏の昼下がりってことです。 犬が…

【デッドフォール】腑に落ちないバディもの

シルベスター・スタローンって、時々、イメージチェンジを狙うフシがありました。 ただの人の良いタフガイから、ちょっとお笑いが入ってたり、インテリだったり、SFだったり。 刑事・警察ものだけでも、「ナイトホークス」(1981)の変装が得意な捜査官、「…

【ハロウィンⅢ】これを「ハロウィン」シリーズと呼んでいいのか?

ハロウィンシリーズ第三弾「ハロウィンⅢ」(1982)。 これも我が家のホームドクターが貸してくれたブルーレイで見ました。 ちなみにこの映画は日本未公開。 この次の「ハロウィン4ブギーマンの復活」(1988)、「ハロウィン5 ブギーマンの逆襲」(1989)、…

【ブロブ/宇宙からの不明物体】怪物キャーキャー映画だと思ったら、意外に練られてた話だった

落下した物体から出てきた人食いアメーバーが小さな町を襲う。 それが「ブロブ/宇宙からの不明物体」(1988製作/1989日本公開) プロットとしては「トレマーズ」(1990)に似てますね。 どう考えてもB級映画の匂いしかしないプロット。 B級映画の典型的なキ…

【ゴルゴ13】健さんのデューク東郷はありだったが・・・

「ゴルゴ13」って僕の世代のマンガ好きなら一度は通ってるんじゃないんでしょうか。 うちも兄が集めていて、中高校生の頃によく読んでました。 ちょっとエッチな場面もあったし。 昭和な喫茶店や食堂に置いてあることも多かったですね。(今でも時折見かける…

【白いドレスの女】ダメ男の裏取扱説明書

オープニングのラッドカンパニーのロゴが懐かしいです。 そんな懐かしいロゴから始まる「白いドレスの女」(1981製作/1982日本公開)。 監督のローレンス・カスダンが「スターウォーズ・帝国の逆襲」(1980)や「レイダース・失われた聖櫃」(1981)の脚本家…

【ハロウィンⅡ / ブギーマン (1981)】殺人鬼は走らない

以前、オリジナル版の「ハロウィン(1978)」(1978)を貸してくれた我が家のホームドクターが一緒に貸してくれたのが、正統な続編「ハロウィンⅡ(オリジナル版)」(1981製作/1982日本公開)。 pagutaro-yokohama55.hatenablog.com 劇場公開時のタイトルは何…

【悪魔の植物人間】悪魔なのは植物人間ではなく、マッドサイエンティストでは?

70年代って、B級ホラーの邦題によく「悪魔」っていう冠詞をつけていた気がします。 「悪魔のシスター」(1973)、「悪魔の赤ちゃん」(1974)、「悪魔のいけにえ」(1974)「悪魔の沼」(1977)「悪魔の棲む家」(1979)などなど。どれも原題に「悪魔」なん…

【女囚701号/サソリ】This is 昭和のプログラムピクチャー!

「女囚701号/サソリ」(1972)は、正確には僕の世代の映画ではありません。 映画ヲタクになって、この映画のカルト的な人気を知りました。 クエンティン・タランティーノがこの映画の熱狂的なファンで、この映画の主題歌を「キル・ビル vol1」(2003)で使っ…

【帝都物語】大正ロマンSFとしてイイ線いってるけど消化不良

史実が虚構と入り交じる話って面白いですよね。 歴史上の人物が、実はこんなことをしていた、みたいなSF。アニメの「文豪ストレイ・ドッグ」と似たような系譜なのかな? 「帝都物語」(1988)はまさにそんな一編。 登場人物の大半は歴史上の実在人物。彼らが…

【ビリー・ザ・キッド/21才の生涯】本当の主役はビリー・ザ・キッドではない

男の美学とバイオレンス。 中二病ってそういうの好きですよね。 当然、僕も憧れました。 男の美学とバイオレンスにまみれた映画と言えば、サム・ペキンパー。 だから僕の世代の男の子の映画ファンって、一度はサム・ペキンパーに憧れるんじゃないんでしょう…

【サスペリア】原色の美学、ここに極まる

「決して一人では見ないで下さい」 公開当時、このキャッチコビーがめちゃめちゃ流行りました。 当時の怪物番組「8時だよ、全員集合!」でもパロディにされてたぐらいです。 (確か、志村さんか加藤さんがいかりや長介さんの顔を指差して、「決して一人では見…

【スクープ・悪意の不在】現代でも通じる報道の在り方を問う娯楽作

僕が子供の頃はポール・ニューマンは大スターでしたが、僕が中学生を過ぎる頃には出演作も少なめになってきて、やや外れの映画が多くなってきた時期だったように思えます。 そんな時期に見たのが「スクープ・悪意の不在」(1981製作/1982日本公開)。 実は、…

【勝利への脱出】サッカーヲタクになった今なら楽しめる佳作

あの時、つまらなっかた映画は本当につまらない映画なのか?を検証するシリーズはまだまだ続きます。 今回はシルベスター・スタローンとマイケル・ケイン主演の戦争映画「勝利への脱出」(1981)。 これも今回PRIME VIDEOの100円セールでポチるまで、「気が…

【タイム・アフター・タイム】適度にハラハラするコンパクトなSF娯楽作

「スターウォーズ」(1977)に始まったSFブーム。そのブームの中で有象無象のSF映画が作られました。その中で作られたSF映画が「タイム・アフター・タイム」(1979製作/1981日本公開)。 タイムトラベル物で、19世紀のロンドンと現代(20世紀)のサンフラン…

【ワイルド・ギース】シニア世代の仲良し戦争話?

戦争映画って大体、第二次世界大戦とかベトナム戦争とか、実際にあった戦争を舞台にしたものが多いと思うんですが、たまに傭兵が描かれる映画が作られます。 中学生~高校生ぐらいって、そういう傭兵がカッコいいっていう中二病的な発想になる年頃。 そんな…

【喜劇競馬必勝法】昭和のサラリーマン喜劇の王道を楽しむ!

「喜劇競馬必勝法」(1967) 当然、リアルタイムで見てないですし、TVでも見たこともありません。 もっと正直に言えば、つい最近までその存在さえ知りませんでした。 何でこんな映画を見たかというと、シリーズ二作目の「喜劇競馬必勝法 大穴勝負」(1968)…

【テン(10)】当時の世間の評価は間違ってる?チグハグなコメディ

中年男の迷いを描いたコメディ。 監督は「ティファニーで朝食を」(1961)や「ピンク・パンサー」シリーズのブレイク・エドワース。コメディの名匠と言われてる方です。 そんな彼が作ったの大人のコメディが「テン(10)」(1979製作/1980日本公開)。 僕の…