パグ太郎の<昭和の妖しい映画目撃者>

昭和の映画目撃談&時々その他いろいろ

80年代-洋画

【リリー・マルレーン】当時分からなかった<時代>に翻弄された女性の物語

このブログで、昭和の時代に見たっきり、数十年ぶりに見返す映画のレビューを定期的に載せてます。 時々、「公開当時、全く面白くなかったんだけど、今見たらどうなんだろう?」という、ちょっと意地悪な目(?)で再見してるのもあります。 が、その中には…

【ハイランダー 悪魔の戦士】設定とスタイリッシュな映像の食い合わせが悪いSF

世の中には、劇場公開時にリアルタイムだったファンには記憶されてるものの、その後の世代には「それ何ですか?」的な扱いを受けてるものがあります。 今回、レビューする「ハイランダー 悪魔の戦士」(1986)はまさにそんな作品。 主演は、この頃旬だったク…

【地獄のデビル・トラック】スティーブン・キング先生、作家に専念なされた方がよいかと・・・

超ベストセラーホラー作家、スティーブン・キング。 本の売り上げだけでなく、出す小説が全て映画化されてるんじゃないか?って思うほど彼の本が原作の映画はたくさんあります。 その中には処女作「キャリー」(1976)を始め、「シャイニング」(1980)、「…

【オーバー・ザ・トップ】肉体派スタローン全盛期に作られたMTV要素入り量産型映画

シルベスター・スタローンのフィルモグラフィ~の埋もれた一本「オーバー・ザ・トップ」(1987)。 この映画が公開されたのは、彼の代表作「ランボー」と「ロッキー」シリーズが最初の終盤に差し掛かっていた頃です。 (「ランボー3/怒りのアフガン」が1988…

【パラダイム】相変わらず「何故、どうして?」は禁句のカーペンターのホラー映画

ジョン・カーペンター監督の映画って、見終わった後に「やっぱりB級(以下)だったかぁ」っていう思いをすることが本当に多いんですよ。 でもね、それでもついつい見ちゃうんです。 「男には負けると分かっていても、行かなきゃいけない戦いがある」 それと…

【カリフォルニア・ドールズ】ガチでプロレスをやる美女二人と、とぼけたマナージャーのロードムービー

高校生の時に、期待せずに劇場で見たら、すごく面白かって映画があります。 特に当時の岐阜だと二本立てが基本だったので、おまけで見た方が良かった!ってこともしばしば。 そんな1本が「カリフォルニア・ドールズ」(1981製作/1982日本公開) 見たのは、今…

【ゾンゲリア】看護婦に騙されるな!これはミステリアスな恋愛映画だ!

今回は前回のダン・オバノンつながりで。 取り上げるのは子供の時に見たくて、見たくて仕方がなかったゾンビ映画「ゾンゲリア」(1981)。 本当に見たくて、見たくて仕方なかったんですよ。 だって脚本はあのダン・オバノン。 有名な、看護婦が包帯グルグル…

【バタリアン】マニアのための異色ゾンビコメディ?!?

「エイリアン」(1979)の脚本家、奇才ダン・オバノンが監督・脚本を担当したゾンビ映画。 それが「バタリアン」(1985製作/1986日本公開) ポスターを見た時から、ジョージ・A・ロメロのゾンビシリーズとはちょっと違うなぁ、というのは薄々感じてました。 …

【ドリームチャイルド】ファンタジーの顔をしたロリコンオヤジの純愛映画?

酷い中耳炎をやってしまい、更新が全然できませんでした。 すみません。 さて、子供の頃の印象と、大人になってから改めて見ると印象が違うってこと、ありますよね。 勿論、「昔は面白くないと思ったけど、今見ると面白かった」っていうのは、このブログで書…

【ロボコップ】ブラックユーモア全開のアメリカ製ロボット刑事

「ロボコップ」(1987制作/1988日本公開)。 とっても位置付けに難しい映画です。 マニアックな映画というほどマイナーではなく、むしろみんなが知ってる映画。 でも同じ頃のSF映画「ブレードランナー」(1982)のような名作とか、完成度の高い作品という評…

【ゴーストバスターズ】初公開時の時のガッカリは何だったんだろう?テンポよくコンパクトにまとめられたコメディ

封切時に見た時は、かなりガッカリした映画として記憶されてる「ゴーストバスターズ」(1984) 1985年の正月映画はこの映画と、「グレムリン」(1984)と「ゴジラ」(1984)というSF/ファンタジー映画が目玉でした。 当時購読していたSF雑誌スターログでも、こ…

【プリンス/パープル・レイン】プリンスの最高傑作を堪能するための最高の舞台

僕らの世代でプリンスの音楽を耳にしなかった人はいないんじゃないんでしょうか。 そんな彼の大ヒット作で、且つ代表作は「パープル・レイン」(1984/全米1位)。 このアルバムは彼が主演した半自伝映画「プリンス/パープル・レイン」(1984製作/1985日本公…

【エディ&ザ・クルーザーズ】バンドを描いた音楽映画かと思ったら、ミステリーだった

元々、音楽映画というジャンルが好きです。 ミュージカルではなく、音楽映画。 要はバンドやレコード店が舞台になってるような映画です。 「ボヘミアン・ラプソディ」(2018)や「ドアーズ」(1991)といったミュージシャン実録物(「スパイナルタップ」(19…

【コードネームはファルコン】”これはアメリカじゃない”という言葉が重く響く社会派ドラマ

「普通の人々」(1980)でアカデミー助演賞を取り、当時勢いのあったティモシー・ハットンと、俳優として上り調子になってきたショーン・ペンの共演作。 実話に基づいた社会派ドラマ「コードネームはファルコン」(1985)。 これも初めて見たのは映画公開か…

【デモンズ】スカスカのゾンビ映画(本当はゾンビ映画じゃないけど)

世の中には、見終わった後に「何でこんな映画見ちゃったんだろ?」という気持ちにさせる映画があります。 それが例えばグロかった、とか、コメディなのに笑えなかったとか、話が訳わならないとか、いろいろ理由はあります。 その中で最悪なのは・・・ これっ…

【フライトナイト】青春コメディか?それとも吸血鬼ホラーか?いやこれは<ラーメン・チャーハン定食>だ!

ホラー映画が流行った80年代、ガチで怖がらせるホラーじゃなくて、「バタリアン」(1985)みたいに笑えるホラーや家族で楽しめるホラーなんていうのも出てきました。 今回レビューする「フライトナイト」(1985)はそんな一本。 青春ドラマ風の吸血鬼モノ。 …

【バイオレント・サタデー】昔よりは理解したけど、やっぱり???となるペキンパーの遺作

サム・ペキンパー監督の遺作「バイオレント・サタデー」(1983制作/1984日本公開) 初公開時は、柳ヶ瀬のロイヤル劇場で見たと思うんだけど、併映が何だったかまで覚えてません。 とにかく話がチンプンカンプン。 スパイ物っぽいんだけど、さっぱり分かりま…

【ラビリンス/魔王の迷宮】ゲストスターを迎えたマッペットショーTVスペシャル

何度も書いてますけど、僕はデヴィッド・ボウイが好きなんですね。 だから、彼の映画もチェックしてます。 彼が出ている映画って、純粋な娯楽作よりも、ちょっと文芸作っぽさがあるものが多い気がします。「地球に落ちてきた男」(1976)とか「ジャスト・ア…

【スペース・パイレーツ】お気楽極楽なB級SF映画

「スターウォーズ」(1977)から始まるSFブームの中でいくつか生まれたSFパロディの一つが「スペース・パイレーツ」(1984) 劇場では見てなくて、30年ぐらい前にレンタルビデオで借りて見たような気がします。 何故かお色気SF(?)「スタークラッシュ」(1…

【パラダイス・アーミー】意外と楽しめた普通のコメディ映画

「ゴーストバスターズ」(1984)のメンバーが、その3年前に作った軍隊コメディ「パラダイス・アーミー」(1981製作/1982日本公開)。 初公開時に劇場(柳ヶ瀬の自由劇場?)で見たんだけど、全く記憶がない一本です。 ちなみに同時上映は当時飛ぶ鳥を落とす…

【処刑ライダー】予想したことがそのまま起こる80年代MTV復讐劇

きっとこうなるだろうなぁ、という展開がそのまま起こる映画、「処刑ライダー」(1986製作/1987日本公開)。 名前はオドロオドロしいですが、結構軽い映画です。 劇場公開前のプレビュー上映で見たんですが、その時の印象は・・・ 「箸にも棒にもかからない…

【モンティ・パイソン 人生狂想曲(吹替版)】 広川太一郎さんのベテラン芸を見よ!(聞け?)

モンティ・パイソンと言えば、やっぱり吹替版!って言う話は、以前「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」(1975)で書きました。 pagutaro-yokohama55.hatenablog.com そしてモンティ・パイソンの吹替版と言えば、勿論昭和のTVバージョン。 と…

【デストラップ 死の罠】面白いけど、竜頭蛇尾

登場人物の少ない密室ミステリーって、面白いですよね。 登場人物が少ない分、それぞれのキャラがはっきり分かるし、人間関係の描き方も濃密になります。 そんな期待をしちゃうのが「デストラップ 死の罠」(1982年製作/1983年公開)。 有名舞台の映画化だそ…

【トワイライトゾーン/超次元の体験】当時の人気監督たちが個性を出したオムニバス

「トワイライトゾーン/超次元の体験」(1983製作/1984日本公開)はスピルバーグ製作・監督という売り込みで大々的に宣伝されました。 実際はスピルバーグ監督を含む、当時の人気監督4人のオムニバス映画。 元ネタは1950年代の超有名テレビドラマ「トワイラ…

【ミスタ-・アーサー】酔っ払いのおとぎ話???

主題歌ぎ大ヒットした、80年代を代表するコメディ映画「ミスター・アーサー」(1981)。 2011年にリメイクもされました。(日本未公開ですが) 当時、劇場で見たんですが、そこそこ面白かった印象があります。 主演は僕が好きなダドリー・ムーア。 共演はミ…

【デッドフォール】腑に落ちないバディもの

シルベスター・スタローンって、時々、イメージチェンジを狙うフシがありました。 ただの人の良いタフガイから、ちょっとお笑いが入ってたり、インテリだったり、SFだったり。 刑事・警察ものだけでも、「ナイトホークス」(1981)の変装が得意な捜査官、「…

【ハロウィンⅢ】これを「ハロウィン」シリーズと呼んでいいのか?

ハロウィンシリーズ第三弾「ハロウィンⅢ」(1982)。 これも我が家のホームドクターが貸してくれたブルーレイで見ました。 ちなみにこの映画は日本未公開。 この次の「ハロウィン4ブギーマンの復活」(1988)、「ハロウィン5 ブギーマンの逆襲」(1989)、…

【ブロブ/宇宙からの不明物体】怪物キャーキャー映画だと思ったら、意外に練られてた話だった

落下した物体から出てきた人食いアメーバーが小さな町を襲う。 それが「ブロブ/宇宙からの不明物体」(1988製作/1989日本公開) プロットとしては「トレマーズ」(1990)に似てますね。 どう考えてもB級映画の匂いしかしないプロット。 B級映画の典型的なキ…

【白いドレスの女】ダメ男の裏取扱説明書

オープニングのラッドカンパニーのロゴが懐かしいです。 そんな懐かしいロゴから始まる「白いドレスの女」(1981製作/1982日本公開)。 監督のローレンス・カスダンが「スターウォーズ・帝国の逆襲」(1980)や「レイダース・失われた聖櫃」(1981)の脚本家…

【ハロウィンⅡ / ブギーマン (1981)】殺人鬼は走らない

以前、オリジナル版の「ハロウィン(1978)」(1978)を貸してくれた我が家のホームドクターが一緒に貸してくれたのが、正統な続編「ハロウィンⅡ(オリジナル版)」(1981製作/1982日本公開)。 pagutaro-yokohama55.hatenablog.com 劇場公開時のタイトルは何…