パグ太郎の<昭和の妖しい映画目撃者>

昭和の映画目撃談&時々その他いろいろ

【青森探索】ムーの旅 ①

就職前、最後の夏休みということで、二泊三日で青森に来ました。

青森って、見るところがいっぱいあって、なかなか迷う人も多いと思います。

 

が、しかし、僕は迷いませんでした。

何故なら昔から青森の最優先目的が「キリストの墓」だったからです!

 

えっ?!日本にキリストの墓?

 

そう思ってる人は、これから雑誌「ムー」を購読することをお勧めします。

(本気にしないで下さい)

 

戦前に竹内文書っていう、日本の本当の歴史が書かれたという古文書が見つかったんですね。

そこにキリストが若い頃日本で修行し、死刑を逃れたあと、密かに日本に戻って、名前を変え、青森で没した、って書いてあるんです。

その古文書に基づいて発見された、と言われるのがキリストの墓。


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これは自称ミステリーハンターとしては行くしかない!ということで、雨の中、八戸から車を飛ばして行ってきました。

 

これがキリストの墓です。


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ちなみにお墓の近くにキリスト伝承館というのがあって、イベントをやってました。

 

ムーとのコラボ

 

え?

自分で、それ認めちゃうの???

 

潔さに脱帽です。

 

こんなマニアックなスポット、って思われるかもしれませんが、平日、雨の中に関わらず、駐車場はいっぱいでした。

小学生を連れた親子もいました。

ちょっと心配です。

(何が?)

 

キリストパワー、恐るべし。

(違うと思いますが)

 

ちなみにキリストの墓の近くには、お土産屋、兼休憩所がありました。


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その名を「キリストップ

名前のセンスがツボ。

ロゴもどこかで見たことあるような・・・

 

残念ながら、お休みでした。

 

このあと、大石神ピラミッドというところにも行きました。


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ピラミッドっていうより、山の中に巨石がゴロゴロあるだけの場所でした。


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土砂降りの中、人影もない山の中を歩いたんですが、滑落したらどうしよう?とマジに心配しました。

 

こうして一日目が終わりました。

 

旅は明日も続きます。

 

【ルパン三世 念力珍作戦】ルパン三世のエッセンスを上手に抜き出したマンガ映画

前回の「嗚呼!!花の応援団」(1976)に続いて、マンガ映画をレビューします。

それはあのルパン三世

小栗旬さんが実写化(「ルパン三世」(2014)より40年前に実写化されてたんですね。

 

それが今回レビューするルパン三世 念力珍作戦」(1974)。

 

製作はマンガ映画の雄、東映や日活ではなく、東宝

どんな映画なことやら・・・

 

(あらすじ)

盗んだ車でドライブしていたルパン三世は、偶然にも護送車で輸送されてる峰不二子を見かけ、ひとめぼれ。彼女を刑務所から脱獄させるが、まんまと一人で逃げられてしまう。片やルパン一世と二世が作ったルパン帝国は部下マカ・ローニの裏切りで崩壊し、たった一人の生き残り次元大介は、ルパン二世の子供・ルパン三世を探していた・・・

 

映画化された1974年っていうのは、TVアニメの「ルパン三世」の第一期(1971-72)と第二期(1977-80)の間。

ルパン三世」のイメージはそこそこ浸透してました。

 

まずはキャスティングから紹介しないといけないですね。

 

ルパン三世 / 目黒祐樹

次元大介 / 田中邦衛

峰不二子 / 江崎英子

銭形警部 / 伊東四朗

 

古い日本映画に詳しい方なら「???」と思いますよね。

「あー、もう外れが目に見えてる」って思った人も多いんじゃないでしょうか。

実際にスチール写真や予告編を見ると、心配になります。

僕もその一人でした。

 


www.youtube.com

 

ところがこれがいい意味で裏切られるんですよ。

 

まずこのキャスティングが意外にナイスなんです。

 

本当なんです。

 

江崎英子さんの峰不二子は違和感ゼロ。

アニメの峰不二子のような妖艶さはないですが、キャラ&雰囲気は観客の期待通り。

 

田中邦衛さんの次元大介は、見る前は心配でした。

ところが意外や意外。動くと見た目の違和感も少なく、これは次元大介だよね、って納得します。

さすが演技達者です。

ただキャラはアニメ版よりコミカルなので、そこは気になる人もいるんじゃないでしょうか。

 

伊東四朗さんの銭形警部は、写真を見た人全員が間違いなく「これが一番ダメだー」と思ったハズ。

でも映画の中では、ちゃんと銭形っぽいんですよ。

確かに次元大介同様に、コミカルっぽいキャラに寄せられてますが、大筋としては銭形キャラは守られてます。

 

そして最後は目黒祐樹さんのルパン三世

 

あの「ルパン三世」の制服と言えるあの服装をしていません。

クラシックカーにも、フィアットにも乗りません。

ワルサーP38は持っていますが、金ピカです。

 

でも、間違いなくルパン三世でした。

他のキャラ同様にコミカルな要素が強くなってますが、ああ、この人がルパン三世をやってくれて良かった、って思いました。

Wikipediaによると、目黒祐樹さんはこの映画を作るときに「あの原作を再現するのは無理」と思い、監督と話し合って好きなように演じたそうです。

(本人も気に入っていて、チャンスかあれば、またやってみたいって言ってたようです)

 

監督や主要キャストが「ルパン三世とは何ぞや」という本質をよく理解してたってことなんでしょうね。

田中邦衛さんも伊東四朗さんも、与えられたキャラを守りつつ、自分の色を出していたのは流石です。

特に目黒祐樹さんは、「ルパンはシンプルだけど、おしゃれな服が好き」「いつも冗談みたいな余裕をかましている」といったルパン三世像を掴んだまま、目黒祐樹として自由にやってました。

こういう人たちを芸達者って言うんでしょうね。

 

話自体は峰不二子に翻弄されながら、宝石泥棒をしたり、銭形警部に追いかけられたり、敵のマカ・ローニ一家から命を狙われたり・・・と「ルパン三世」のよくある話を小気味よくつないでいく展開

 

ちなみにタイトルは「念力珍作戦」となっていますが、ルパンが念力を使うわけではありません。

 

というか、念力は全く出てきません

 

当時の超能力ブームでこんな変なタイトルになったそうです。

 

つまり目新しいことは何もない、どこかで見たことがあるような話です。

 

ルパン三世」の根底には60-70年代に流行った、ヨーロッパの娯楽映画、特にコメディ調の泥棒モノがあります。

 

ぱっと僕のレベルで思いつくだけでも、「黄金の七人」(1965/伊)、「ミニミニ大作戦」(1969/英米)、「大頭脳」(1969/伊仏米)、「黄金の眼」(1968/伊)があります。あとジャン・ポール・ベルモント主演のコメディ作品も参考にしてるんじゃないんでしょうか。

 

この映画でもヨーロッパの娯楽作品っぽく作ろうとしているようです。

でも、時々、日本的なベターとしたギャグや展開になっちゃうのが残念。

確かに伊東四朗さんはTVでそういう笑いでウケていた時代なので、日本的なノリを持ち込みたくなったんでしょうね。

(ちなみに僕らの世代で、伊東四朗さんと言えば「みごろ!たべごろ!笑いごろ!」(1976~78)の電線音頭ですね)

 


www.youtube.com

 

もしヨーロッパ娯楽作を下敷きにした雰囲気で押し通せたなら、隠れ名作になった可能性があったんじゃないでしょうか。

(勿論、過大評価です)

 

とにかく、日活や東映で作られたようなマンガ映画とはちょっと違う、実写化はさすが東宝。「子連れ狼」の実写化をヒットさせた実績は伊達ではなかったですね。

 

さて、この映画と対局にあるのが小栗旬さんの「ルパン三世(2014)。

 

昭和のマンガ映画みたいな、無理くり似せたんじゃなくて、どのキャラもとってもリアルに似てます。(綾野剛さんの五右衛門でさえ、似ている!

セリフもアニメ版「ルパン三世」の決めセリフや口癖をちゃんと取り入れてます。

キャラの再現度は圧倒的に小栗版「ルパン三世」の勝ち。

 

でも映画の肌触りが全くダメ

現代の真面目アクション映画の要素を不必要に取り入れ過ぎ。

 

ルパン三世は、冗談を飛ばしながらどんな難題、難敵にも立ち向かっていく軽やかが売り。

でも小栗旬さんのルパンって、「ルパン三世」より、「ミッションインポシブル」シリーズのイーサン・ハントに近い。

リアルバトルを、真顔のリアルアクションで敵を倒していく。

それも知恵や工夫じゃなくて、力業で倒すのが目立つ。

冗談を言っていても、真面目に見えちゃう。

 

ルパンのシリアスは、たまにほんの一瞬だけ見せるからいいんです。

いつも見せていてはダメ。

 

だから小栗さんの「ルパン三世」は肌触りが違うんです。

 

映画として純粋に見た作品の完成度は小栗さんの「ルパン三世」が上。

多分、映画として目指してる志の高さも、小栗さんの「ルパン三世」の方が高いです。

でも「ルパン三世」らしさ、という点では「念力珍作戦」の方が上じゃないでしょうか。

 

あ、だからと言って、この映画がすごーく完成度の高い映画という意味ではありません。

あくまでも昭和のB級娯楽作です。

ルパンファンでも、よほどのことがなければ見る必要はないです。

 

そう言えば、音楽もこの映画のルパン三世らしさを支えていました。

どことなく昔のヨーロッパの娯楽映画の雰囲気があり、第一期のTVシリーズに使われても違和感がなさそうな曲が多かったです。

ルパン三世好きなら、一度聴いてみるのもいいんじゃないでしょうか。

 

ルパン三世のテーマ

ルパン三世のテーマ

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東宝マーク~ルパン三世、颯爽登場!

東宝マーク~ルパン三世、颯爽登場!

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ちなみにこの映画、劇場公開された時は、のちに封印作品になってしまった「ノストラダムスの大予言(1974)と二本立てで全国封切だったそうです。

 

僕は親に連れられて、岐阜の東宝劇場で「ノストラダムスの大予言」を見ています。

その時に買ったパンフレットは今でも実家にあります。

 

なのに「ルパン三世 念力珍作戦」を見た記憶が全くありません

親は無類の映画好きだったので、同時上映がどんなくだらない映画でも最後まで見てました。

また見た映画は必ずパンフレットを買ってました。

当然、この映画のパンフレットはありません。

 

ひょっとして岐阜だけ「ノストラダムスの大予言」の上映回転数を上げるために、同時上映なしでやっていたのでしょうか?

でも岐阜では無理やり二本立てにするようなことはあっても、逆はないはずなので、謎は深まるばかりです・・・

 

ちなみに今回は大昔に録画したDVDがあったので、それで視聴しました。

PRIME VIDEO、Netflix、U-Nextのサブスクにはありません。

 

DVDは今や新品での入手は難しいようです。

【嗚呼!!花の応援団】嗚呼!!懐かしき昭和のマンガ映画

「嗚呼!!花の応援団」と聞いて、ある一定の年代は妙な懐かしさを感じるんじゃないでしょうか。

思い出すのは何よりも大ヒットマンガ(1975-1979)。

あまりのヒットにプラモデルが発売されたぐらいです。(僕も買いましたw)

 

そんな大ヒットマンガの映画化が「嗚呼!!花の応援団」(1976)。

リアルタイムで劇場で見てないですし、その後ビデオでも見ていません。

つまり今回が初見です。

さて、どうだったか。

 

(あらすじ)

南河内大学の新入生二人は軟派な部活に入るつもりが、強引に応援団に入部させられてしまう。個性豊かな先輩たちの中で、一際異彩を放っていたのが3年生の青田赤井道だった・・・先輩達の鬼のしごき&いじめの中、いろいろな事件が起こる・・・

 

昭和の時代には、令和時代に負けず劣らずヒットマンガの実写映画がよく作られてました。

でも、その実写化って今時のマンガの映画化とはちょっと違うんです。

今ならCGを駆使したり、設定やイメージを変えたりして、リアルに見えるように工夫するじゃないですか。

でも昭和の実写化って、メイク等で無理くりマンガのイメージを再現しようとするんですよ。

写真で見るだけでも「ありえへん!」っていう感じ。

違和感以外、何もでもないです。

 

まさにマンガ映画

 

ドカベン」(1977)の岩鬼なんてイイ味だしてます。

 


www.youtube.com

 

本当はせんだみつおさん主演の「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(1977)がめっちゃインパクトあるんですけど、DVDはおろか、予告編など映像の断片もなく、東映チャンネルで配信もされてません。

あまりにも内容を改変し過ぎて、原作者の秋元治先生が激怒した結果、封印されてしまったという話も・・・残念。

 

勿論、「嗚呼!!花の応援団」も無理くり実写化されたマンガ映画です。

こちらも主人公の青田赤道を出来る限り再現してます。

 


www.youtube.com

 

マンガ映画は東映がたくさん作ってた記憶があるので、この映画も東映だと思ってたんですが、調べたら日活でした。

 

そこでマンガ映画の歴史を紐解くと、初期は日活が結構作ってたんですね。

 

代表作は「ハレンチ学園」(1970)、「あしたのジョー」(1970)、「野球狂の詩」(1977)です。

 

野球狂の詩」では木之内みどり演じる水原勇気は可愛かったですねー。

ただし投げるポーズは全くダメでしたが。

 

しかし70年半ばから、東映が一気に「おいしそうなマンガ」の実写化をかっさらっていきます。

 

「女囚701号/さそり」(1972)、「ゴルゴ13」(1973)、「男組」(1975)、「ドカベン」、「ドーベルマン刑事」(1977)、「サーキットの狼」(1977)、「こちら葛飾区亀有公園前派出所」等、豪華です。

 

東映がマンガ実写化に力を入れたことだけでなく、日活の経営が傾いて、1971年からロマンポルノ路線に軸を移したことが原因じゃないでしょうか。

(あと集英社の作品が多そうなことから、東映集英社の連携があったのかもしれません)

 

マンガ映画って、単体で上映されることはなくて、お正月やお盆に二本立てで公開さることが多かった気がします。

実際に「嗚呼!!花の応援団」にも同時上映があって、「四畳半青春硝子張り」という

ちょっとエッチいなところもある、青春映画だったようです。

この辺りは日活っぽいですね。

 

無理やり似せたマンガ映画って、当時は「使い捨て」映画でした。

この映画も第三弾まで作られたんですが、第二弾と第三弾のネガフィルムはジャンク処理されたそうです。

そんな「使い捨て映画」ですが、現在では怪作としてカルト映画化扱いになってます。

そのお陰で上映会が企画されたり、商品化されたりと、同時代の「真面目に作られたけど、人気が出なくて忘れ去られた」映画より好待遇。

「無理やり似せて良かった」ってことでしょうか。

 

「嗚呼!!花の応援団」はDVDボックスまで発売されました。

 

さて「嗚呼!花の応援団」ですが、キャラの似せ方(特に主人公の青田赤道)が強烈過ぎて、話にまで気が回りません。

もうね、ヤジを飛ばしながら見る同級生の学芸会的なノリ。

 

まさに昭和のチープな娯楽作品の匂いがプンプンする映画です。

 

当然、昭和のB級娯楽映画なんでオッパイポロリは当たり前。後輩に対する過激なイジリ(いじめ)があったり、差別発言があったりと、今のコンプライアンス的な目で見たら完全にアウト。

まぁ、お笑いなんで笑って流す話ではあると思うんですけど。

 

短いエピソードを繋いでいく展開。

勿論バカバカしい話が中心ですが、そこに友情だったり、恋愛だったり、複雑な家庭事情といった要素もごった煮のように入ってきます。

格闘マンガになる前の、おバカ話が中心だった時代の「魁!!男塾」に似てます。

(「魁!!男塾」が「嗚呼!!花の応援団」に影響を受けてるのかも)

後半の主人公と1年生の色恋エピソードは、ちょっと真面目な展開で、最後にちょっとホロっとさせてくれます。

 

典型的な二本立て用のプログラムピクチャーで、「その場限りの楽しさ」を提供するためだけの映画です。

話の内容よりも、実写でマンガのキャラを目の前に見せる」ことが目的なのがマンガ映画。この映画はそれを王道でいっています。

きっと後世まで見て貰おうなんて考えてなかったと思うんですよね。

 

だから、映画としてどーの、こーのって語っても意味がなくて、無理くりなキャラをいかに楽しめるか、っていう視点でしか見ない(僕のような)昭和のトンデモ映画好き向けです。

 

真面目な映画ファンは見る必要ないし、見なくても人生困りません

 

だけど嫌いにならず、そっとしておいて下さい。(笑)

 

今時のシネコンではなく、昭和のいつでも出入りできた映画館で見た娯楽映画の雰囲気を味わいたければお勧めです。

 

 

この映画PRIME VIDEOのサブスクで見ました。今のところ、日活3部作がサブスクで見れます。

(ちなみにこの日活シリーズに出演した役者さん達がエクゼクティブ・プロデューサーや監督になって、1996年にリメイクが作られたそうです)

 

DVDは先述のボックスセット、単品ともに入手困難です。

 

【ガンヘッド】観客より作り手のSF感覚が古いことを露呈したハードSF

今回レビューするのはガンヘッド(1989)。

日本発の本格巨大ロボットSF、らしいです。

裏設定も含めてハードSFってことで、マニアの間ではそこそこ有名な作品。

実はこの映画、今まで見たことがないんです。

正直に言えば何となく避けていました。

 

見たいような、見るのが怖いような・・・

 

さてどうだったんでしょうか。

 

(あらすじ)

人類に宣戦布告した巨大コンピュータが支配する島に、トレジャーハンターが潜入。敵の襲撃を受け、唯一残った主人公は破棄されていた巨大ロボット・ガンヘッドを修理し、巨大コンピュータに戦いを挑む。

 

この映画のことが大好きなコアなファンがいるのは分かっています。

でもね、ハッキリ言います。

 

SUPER ガッカリです。

 

久しぶりにヒドい映画を見ました。

スターウォーズ」から12年も経ってるのに、これかー--

 

この映画が作られた80年代の日本SF映画って、一番ヤバい時期だったと思ってます。

77年の「スターウォーズ」公開以来、海外のSF映画はどんどんリアル&ハード路線にシフト。

それ以前のリアルさがないSFは、ノスタルジーの彼方に追いやられていく、そんな時代でした。

日本のSF好きの観客の嗜好も、その傾向に沿ってました。

 

だけど、日本のSF映画製作側は違ってました。

この映画も「リアル」を導入しています。

でも作り手が考えるリアルと、観客が期待するリアルが違い過ぎるんです。

 

この映画は裏設定はかなりハードに、リアルに作ってあるようですが、映画で見える部分はお粗末。

 

かっこいい戦闘隊員ではなく、小汚いトレジャーハンターがリアルなのか?

宇宙からのメッセージ」から変わってないんじゃないのか?

 

今時のスーパーコンピューターに支配されたディストピアがリアルなのか?

それって「ターミネーター」(1984)のパクりだよね?

 

とにかく小手先の用語や設定ばかりです。

これじゃ、SF好きの高校生ですらガッカリですよ。

 

人類を押し返すだけの力のあるスーパーコンピュータが守る島に、トレジャーハンターたちが忍び込むっていうのはまぁ、いいとしましょう。

そんな難攻不落の島に潜入するトレジャーハンターって、きっと軍隊以上にキレ者じゃなきゃいけないと思いますよね。

でも出てくるのは、ボロボロの恰好をした無法者ちっくな人たち。

それもガサツで、コンピューターの裏をかけるような知性が感じられないんです。

こいつらが易々と入れるなら、とうの昔に軍隊のエリート部隊がスーパーコンピューターを制圧してますよね?

「エイリアン」(1979)やスターウォーズでも「ボロボロだけど、超凄腕」っていうキャラは出てきますが、彼らは「プロ」を感じさせるんです。「あいつはプロだ」っていう薄っぺらいセリフで説明されるんじゃなくて、立ち居振る舞いとかでその雰囲気を作る。

そんなワケでトレジャーハンターがプロに見えません。ハイテク自動車泥棒ってレベル。

 

島内の施設もボロボロ。

コンピューターがこんな不衛生なところにあるワケないじゃん。基本中の基本。

 

映画のタイトルにもなってる巨大兵器ガンヘッドもちょっとなぁ。

デザインを当時新進気鋭だったスタジオぬえ河森正治さんをデザインに起用したのはなかなかいいと思います。

 

でもそのガンヘッド自動車整備工の道具みたいなので直せちゃうのってどうでしょう?

更にガンヘッドが体当たりで巨大なドアを壊す場面なんても、とっても60年代っぽいです。今ならそんな機体が壊れそうななことはやらないでしょうね。

 

そもそもアングルやミニチュアの見せ方が60-70年代の特撮をグレードアップしたレベル。

特にアングルや画面作りが昔のSFと変わりません。

だから画面を見てると70年代の特撮TVとダブるところがあるんですね。

 

要は「頭の中にある構図を何とか視覚化したい」っていう発想じゃなく、「今までのやり方や構図を、より精緻にやろう」っていう感じです。

反対に初代「ゴジラ」や「ウルトラセブン」の方「頭の中にある構図を何とか視覚化したい」という気概に溢れてた気がします。

「リアルな構図ありき」に完全に舵を切ったのは、平成の「ガメラ 大怪獣空中決戦」(1995)からでしょうか。

 

少なくとも同じ東宝の「さよならジュピター」(1984)がリアルな特撮を追求していたので、その姿勢は参考にして欲しかったです。

 

話もロールプレイングゲームみたいで、高揚感は得られません

とにかく人間関係がグダグダ気味、というか各人のキャラの描き方が月並み過ぎ。

中学生のSFf好きが集まって、「SF冒険活劇を考えようぜ!」ってノートに書きだしたキャラをそのまま使ったような、深みもヒネリもないキャラばかりです。

 

じゃ、本格巨大ロボット映画と謳っているんだったら、血沸き肉躍るようなロボットアクションを期待しするのは当然ですよね。

でも画面で繰り広げられるのは、巨大戦車の爆走シーン

これ、変形ロボットである必然性ありませんよね?

 

またガンヘッドに搭載されている人工知能と主人公が会話をするんですが、妙に人間臭くて、思わず「機械の中に小さい妖精のおじさんが入ってますよね?」と言いたくなるレベル。

高性能の戦闘ロボットにあんなAIが積まれるわけないじゃないですか。

スターウォーズC3POは軽口をたたきますが、彼は「翻訳ロボット」です。

「人間臭い方が高性能っぽくない?」っていう発想がとっても残念。

シリアスなミッションを託されたコンピュータのふるまいは、「2001年宇宙の旅」のHALを参考にして欲しかったです。

 

ただし「日本だからハード&リアルSF映画は無理」ということはありません。

日本映画界は定期的に良質なハード&リアルSF映画を作ってきました。

初代「ゴジラ」(1954)や「美女と液体人間」(1958)などの変身人間シリーズ、「世界大戦争」(1961)、「日本沈没」(1973)、「ブルークリスマス」(1978)、「復活の日」(1980)です。

中にはそんなに特撮を使わなくても、脚本がしかっりしていればハード&リアルSF映画は作れるのです。

 

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名作と言われるSF映画は、戦争体験が反映されてたり、当時の世相や人間ドラマがしっかり書き込まれてました。

この映画はガジェットに傾倒し過ぎていて、話を煮詰めてないのがダメです。

 

役者さんについても、主演の高島政宏さんの演技はお世辞にも上手とは言えません。

本人的にはぶっきらぼうの一匹オオカミを演じてるつもりですが、それにしては何とも頼りない雰囲気。特にセリフ回しが妙に隣のお兄さんっぽくて、この映画に求められるヒーロー像にあってません。

ちなみに他のキャストもハードSFには全く向いてないです。

外国人キャストで国際色を出してるんでしょうが、あまり効果なし

これだったら極東の島を舞台にして、日本人しか参加できないような設定(例えば世界が寸断されて、人の交流が出来ないなど)にしてしまえば良かったんじゃないでしょうか。

 

ともかく、残念ながら僕的には褒めるところも、笑えるところもない映画でした。

コアなファンの方、ごめんなさい。

 

さて、この映画はAMAZON PRIMEやNextlixのサブスクにはありませんでしたが、U-nextのサブスクにはありました。

 

新品のブルーレイが手に入るようですが、ちと高価です。

【大逆転】これぞエディ・マーフィーとジョン・ランディスが作った傑作

ジョン・ランディス監督の隠れた良作「大逆転」(1983)。

面白いし、出演者もそれなりに知名度があるのに、今は埋もれてる感じ。

そんな「大逆転」を今回レビューしました。

 

(あらすじ)

「人間が出世するのは、生まれ持った才能か、それとも育った環境か」。金持ちの老兄弟の意見が対立し、「じゃ、実験してみよう」と自分たちの会社に勤めるエリート会社員と会社の前にいたホームレスの立場を入れ替えてしまう。一夜にして全てを失ったエリート会社員と、一夜にして大金持ちの会社役員になったホームレス。紆余曲折を経て、「入れ替え」が老人たちの実験であることを知った二人は、彼らに一泡吹かせるべく賭けに出る・・・

 

大逆転 パンフレット表紙

 

「大逆転」はロードショーでは見てないんですが、学生の時にリバイバル上映で見ました。

4本立てのオールナイト上映の最後の一本だったんですが、普通なら眠くてしょうがない朝方の時間なのに、全く眠くならなかったぐらい面白かった記憶があります。

 

主演のダン・エイクロイドは、この頃唯一無二の相棒、ジョン・ベルーシを亡くして、パートナー探しの旅に出ているような状態。

そこで、この映画で彼のパートナーに選ばれたのは「48時間」(1982)で注目されたエディ・マーフィー

まだ「ビバリーヒルズ・コップ」(1984)で人気が爆発する前です。

トレードマークのあの独特な笑い方は見せないものの、間の取り方とマシンガントークは既に健在。二つを巧みに使い分けて、ダン・エイクロイドと絶妙なやり取りを繰り広げます。

ちなみに二人ともアメリカの超有名コメディ・バラエティ番組「サタデー・ナイト・ライブ」の出身ですが、出演時期は重なってません。

 

そのダン・エイクロイドを助ける娼婦は、何とジェイミー・リー・カーティス

「ハロウィン」(1978)を皮切りに血みどろホラー映画のヒロインを幾つも演じ、スクリーミングクィーン(絶叫の女王)と呼ばれた彼女ですが、意外にこの娼婦役がハマってるんですよ。

僕の好きなナンシー・アレンが演じる可愛い娼婦(「殺しのドレス」(1980))とは、また違った「ちょっと姉御肌で情にもろい」娼婦を実に魅力的に演じてます。結構色気もあるんですよね。

 

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金持ちの老人の気まぐれで、突然立場を入れ替えられた二人のシチュエーションコメディ。

エディ・マーフィーは金持ちになって最初のうちは作法は酷いし、手癖は悪いんだけど、すぐに相場の才能を発揮。更にホームレス時代の間を呼んでパーティーするんだけど、バカ騒ぎに嫌気がさし、上流階級の生活に馴染んでいく。

片やダン・エイクロイドは落ちぶれるだけ落ちぶれて、ジェイミー・リー・カーティスの娼婦に助けられるものの、底辺の生活には慣れず、何とか元の生活に戻ろうとするが上手くいかない。

 

普通ならエディ・マーフィーは金持ちの生活の悪いところに気づいて、「自由だったホームレス時代が懐かしいゼ」っていうのが、本来は王道。

でもこの映画では、

 

二人ともお金持ちの生活が好きってことは、やっぱり大切なのはカネだよね?

 

最後も老人をやり込めた上に、3人が金持ちになってハッピーエンドですしね。

誰も庶民の生活に戻りたいって言わない(笑)

そっちの方がリアルですよね。

 

閑話休題

 

一応、二人が主役ですが、やることなすこと上手くいかないダン・エイクロイドの話の方がドラマの中心になってます。

エディ・マーフィーのシーンも面白いんですが、ダン・エイクロイドの物語=悲惨さを引き立てる役割っぽいです。

 

まぁ、不幸になってる方に目が行くのは普通ですからねー。

 

終盤、自分たちを陥れた老人を嵌めるために手を組んだところで、初めて二人が対等になる印象です。

 

ラストは老人たちに偽情報を掴ませて、冷凍オレンジ相場で大損させるんですが、社会人でずっと相場の仕事をしてきたお陰で、このシーンを最初に見た学生の時より楽しめました。

 

この映画のラストの舞台は商品取引所。

この頃はまだシステム化されておらず、場立ちと言われる人たちがお客の注文票を持って、ピット(取引スペース)に殺到するシーンが出てくるんですが、懐かしかったですねー。

僕が社会人になった頃は、まだ東京証券取引所もあんな感じでした。

今や取引所はモニターがあるだけの部屋。

取引もネットを通じて行われるし、注文を出す方もAIだったりします。

あの頃の人間臭い熱い雰囲気を体感出来ないのが、ちょっいと寂しいです。

 

「大逆転」には同じジョン・ランディス監督、ダン・エイクロイド主演の「ブルース・ブラザーズ」(1980)のような爆発的なパワーも、ぶっ飛ぶような笑いもありません。

でもテンポよく進み、ずっとクスクスと笑わせてくれます。

筋立てで笑わせるコメディなので、日本人にも楽しめるんでしょうね。

 

この映画の成功は何といってもメイン3人のキャスティング。

3人が、それぞれ相手を引き立てつつ、自分の味をしっかり出していました。

 

先ほどエディ・マーフィーダン・エイクロイドの引き立て役と書きましたが、引き立て役のエディ・マーフィーのアクの強さがあったからこそ、ダン・エイクロイドの芸風である「受け身の面白さ」が際立ってました。

 

そして二人が絶妙なやり取りを見せられたのは、ジョン・ランディス監督の演出力&コメディセンスがあってこそ。

ブルース・ブラザーズ」のジョン・ベルーシ/ダン・エイクロイドのコンビとは、また違った面白いコンビを見せてくれました。

狼男アメリカン」(1981)の迷いが生じてる演出とは別世界です。

 

pagutaro-yokohama55.hatenablog.com

 

つまりこの映画を傑作にしたのは、エディ・マーフィージョン・ランディスと言っていいんじゃないでしょうか。

このトリオであと何本か映画を作ってもらいたかったです

 

そんなワケでコメディ映画好きなら、見て損はない映画です。

 

今回はU-Nextのサブスクで視聴しました。

新品のBlu-rayは入手可能のようです。

 

【シャーキーズ・マシーン】アクション映画だと思ったら、バディムービーだった

1970~80年代、バート・レイノルズと言えば、タフガイの代名詞。どんな逆境でも余裕でギャグをかますような爽快キャラが得意で、話題作によく出ていました。

彼はちょこちょこ監督もやってるんです。

監督第3作目が今回レビューする「シャーキーズ・マシーン」(1981製作/1982日本公開)。

彼が主演も兼ねた刑事モノです。

勿論、大アクション映画を期待して劇場に向かいました・・・

 

(あらすじ)

おとり捜査に失敗した麻薬課の敏腕刑事シャーキーは、うだつのあがらない風紀課に転属させられてしまう。しかし逮捕した娼婦から高級売春組織の存在を知り、そのうちの一人を監視しているうちに、州知事候補が関係していることを知るが、殺し屋が口封じにその高級娼婦を狙っていた・・・

 

 

シャーキーズ・マシーン パンフレット表紙

ずばり言います。

 

肩透かしを食らいました。

 

いや、つまらなくはなかったんです。

でもスッキリしないというか、ちょっとモヤモヤした気持ちになりました。

 

見た劇場は岐阜のロイヤル劇場。

今は名画座として、日本唯一のフィルム上映を続ける商業映画館になってます。

 

勿論、岐阜なので同時上映がありました。

「シャーキーズ・マシーン」の同時上映は当時人気だったダドリー・ムーア主演の「ミスター・アーサー」(1981)。

主題歌の「ニューヨークシティ・セレナーデ」(クリストファー・クロス)が世界中で大ヒットしたコメディ映画です。

この曲の原題は「Arther's Theme (Best that you can do)」。

どうして「ニューヨークシティ・セレナーデ」という邦題になるのか不明ですが、これも昭和のあるあるです。

 

ちなみに「ミスター・アーサー」の日本公開は1981年12月

でも岐阜では「シャーキーズ・マシーン」の同時上映として1982年4月に公開されています。これも岐阜あるあるです。

 

話題戻って、今回見直してみたら、あの時のモヤモヤの原因がはっきりしました。

 

この映画、タフガイ刑事が一匹オオカミとして事件を解決していくものではありません。

主人公と冴えない風紀課のメンバーが一致団結して、巨悪に挑むというバディムービー

 

冒頭の麻薬捜査やクライマックスの殺し屋とのチェイスなどポイント、ポイントでアクションはありますが、基本はオーソドックスな刑事ドラマ。

「ダーティー・ハリー」(1971)や「フレンチコネクション」(1971)のように、ちょっと強引に情報を引き出す捜査や、他の課の知り合いに無理を言って協力させる辺りは80年代の男臭い刑事ドラマの定石ですね。

 

この映画を前半から話を引っ張ってるは、主人公ではなく、ヘンリー・シルヴァ演じる精神異常の殺し屋。

明らかに壊れてるんですが、殺しに関しては超一流。

容赦無用ない彼が常に先回りして口封じに動くことで、常に緊張感が生まれました。

 

ヘンリー・シルヴァって悪役が多いんですよ。

このブログで取り上げた「メガフォース」(1982)や「シークレットレンズ」(1982)でも悪役を演じてました。

(どちらもコメディ要素が入ってましたが)

 

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この人、確かに悪役顔です。

でも小者感満載です。

「メガフォース」では主人公の旧友であり、敵の戦車軍団を率いる隊長、「シークレットレンズ」ではテロリストの親分ですが、リーダーの風格ゼロ

だから敵ボスとしてイマイチ迫力ないから、映画のスケール感も落ちます。

その点、この映画では敵ボスではなく、彼の弟の一匹オオカミの殺し屋っていう役がよく似合ってました。

なんたってリーダーの風格が必要ない、暴走タイプ

 

主人公が指を二本切られる拷問から脱出し(ナイフで一本、一本切断されるシーンがマジで痛そう)、ヘンリー・シルヴァを追い詰める終盤はアクションシーンとして盛り上がります。

撃たれても、撃たれても不死身のヘンリー・シルヴァ。

繰り返しますけど、リーダーより、イっちゃってる役が彼には似合います

 

このクライマックスも、主人公だけじゃなく、風紀課のみんなで追い詰めるんです。

やっぱりバディ・ムービー。

 

そんなワケで”タフガイ”バート・レイノルズの映画にしては、地味目でした。

でも刑事モノのバディ・ムービーとしては、十分に合格。

定番っぽい展開が多いながらも話はしっかりしてるし、バディ・ムービーに不可欠な仲間の描写も丁寧で、それぞれキャラが立ってます。

そしてバート・レイノルズの演出は奇をてらわず、堅実。

まさに良質な脚本を損なわずに映像化するのに相応しい演出でした。

 

そんなわけで、この映画は地味ながらも、無駄なところが少ない、正統派の佳作

最初に見た時よりモヤモヤがなく、楽しめたのは長い時間が経って、僕がバート・レイノルズ」という名前の呪縛から解き放たれたからでしょう。

 

この映画が何もかも地味かというと、そういうワケではありません。

この映画、音楽の選曲が凄くオシャレなんです。

ソウル&ジャズがカッコよく使われていて、当時サントラも買いました。

(当然アナログLP版)

 

その中でも特にお気に入りが2曲あります。

 

一つはオープニングで使われたランディ・クロフォードの「ストリートライフ」。

これが、めっちゃかっこいい

この映画で使われたのは、クルセーダーズのアルバム「STREET LIFE」(1979)に収録されたオリジナルとは違う、映画専用の別バージョン。

僕にとっての「ストリートライフ」はこのサントラバージョンなんですよ。

現在、サントラは入手困難で、サブスクにもサントラ版はないんです。

 

でも悲観することはありません。サントラバージョンを聴くことが出来ます!

 

サントラバージョンの「ストリートライフ」を気に入っていたクエンティン・タランティーノ監督が自分の映画「ジャッキー・ブラウン」(1997)で、オリジナルではなく、サントラバージョンを使ってるんですよ。

だからジャッキー・ブラウン」のサントラで聴くことが出来ます!!!

 

Street Life

Street Life

  • ランディ・クロフォード
  • ポップ
  •  
  • provided courtesy of iTunes

 

そしてもう一つのお気に入りがマンハッタン・トランスファーが歌うスタンダードナンバー「ルート66」

静かでおしゃれな雰囲気が最高

現在、この曲は彼らのライブアルバムで聴けますが、やはりサントラバージョンとはちょっと違うんです。

サントラバージョンが簡単には聞けないのは本当に残念ですが、このバージョンも悪くないです。

Route 66

Route 66

  • provided courtesy of iTunes

 

この2曲は今でも愛聴しています。

 

今回はPRIME VIDEOやNetflixのサブスクにはなかったものの、U-Nextにはあったので、そちらで視聴しました。

 

この映画のBlu-rayは比較的お手軽に手に入るようです。

 

【がんばれ!ベアーズ】少年野球だけど、大人の成長談

いつの間にか世の中から消えてましたね。

家族映画っていうジャンル。

親も子も楽しめる映画。

その代表作ががんばれ!ベアーズ(1976)。

僕らの世代はみんなが知ってる映画でした。

数十年ぶりに楽しみたいと思います!

 

(あらすじ)

問題児ばかり集めた弱小チーム「ベアーズ」の監督を引き受けることになった元マイナーリーグプロ野球選手。最初は全くやる気がなかったが、ぼろ負けしたチームを見て、奮起する。天才野球少女や野球センス抜群の不良少年を入れ、真剣に指導をしたことで、チームは快進撃を始める・・・

 

家族映画(ファミリー映画)っていうのは、子供向け映画のことではないんです。

子供と大人、両方の視点で楽しめる映画。

 

昭和の時代って家族で映画館に行くってことが普通でした。

子供がある程度の年齢になったら、親や映画が好きな大人が「大人の映画」に連れていってくれるんです。

 

大人映画デビュー

 

僕は、無類の映画好きだった母親に、小学校の低学年で戦争映画に連れて行かれました。

母親が自分の見たい戦争映画に、僕を無理やり連れてったんですけどね。

 

大人映画デビューでは、いきなりゴリゴリの大人映画ではなく、子供でもそこそこ楽しめる映画が好まれました。

 

そんな時に、大人映画への橋渡し役を担ったのが家族映画です。

まぁ、男の子ならSF映画パニック映画香港映画っていう「橋渡し」もアリでしたが、そういう映画の洗礼を受けた奴って、ほぼ100%アクション映画ヲタク、SFヲタク、B級映画ヲタクと、普通じゃない映画好きになってしまう難点がありました。

(こんなB級映画ヲタクに導いた母嫌のことを怒ってるワケではないです)

 

今は娯楽の種類も増え、映画も家でサブスクで好きなものが見れるようなったことで、世界的に大人映画デビューっていうのがなくなったから、家族映画も消えたんでしょうね。

 

がんばれ!ベアーズ」は家族映画の末期に登場した大ヒット作です。

 

僕は劇場では見てません。

だって、その頃にはもうどうしようもないSFとか、意味不明に殺伐とした映画が好きだったからです。

 

ノホホンとした家族映画なんて見てられるか~

 

そう思ってたからです。

 

だから初見はTV放映。

その時もまだちょっと小馬鹿にしてました

 

どうせ、緩い、軽い映画だろ、って。

やっぱり映画は殺伐としてないと。

 

でも見終わった時は素直に面白い!と思いました。

 

そして今回見直しても、やっぱり面白い!

ただ当時思った面白さとちょっと違うんですね。

 

「弱小球団が決勝まで行く」っていう筋立てから、普通は子供の成長談を想像しますよね。こういう映画って「情熱的なコーチが、反発する子供たちを成長させ、チームを強くする」っていうのが王道じゃないですか。

 

でも、この映画では子供たちはそんなに成長しないんですよ。

 

むしろ成長するのはコーチたち。

 

特に主人公の監督は最初はチームの子供たち以上にダメ人間

やる気ゼロだった彼が、子供たちと接しているうちに「勝つことよりも、彼らに野球をやらせてあげることが大切」と変わってくんですね。

それに合わせてチームも強くなっていく。

だからこの映画は「大人が子供を成長させる話」じゃなくて「子供が大人を成長させる」話なんです

 

普通と逆の構造にしたアイディアには感心しました。

 

前回は勝手に子供の成長談だと思って見てたんですが、今回はこれに気が付いたんです。

 

勿論、野球の話がメインですが、選手同士のいがみ合いがあったり、強豪チームから嫌味を言われたり、大人の事情があったりと、チームの子供たちそれぞれにエピソードがあります。

 

その中で、この映画をグイグイ引っ張ったのは、ウォルター・マッソー演じる監督と、テータム・オニールの天才野球少女。

 

ウォルター・マッソーは真面目な顔して、いい加減なんだか、真剣なんだか分からない微妙な気持ちの揺れを、見事に演じています。人間味の出し方、タイミングも絶妙。

この人の、相手を食ったような演技は「サブウェイパニック」(1974)、「マシンガンパニック/笑う警官」(1973)でも証明済み。

彼以上にこの役を演じられる役者を思い浮かべられません。

 

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そしてその相棒役ともいうべき天才野球少女を演じるテータム・オニール。

 

とにかく可愛いし、演技が上手い。

 

いつもは大人っぽい、ちょっとマセた口調なのに、時々子供らしさを見せる演技が抜群です。

特に監督と自分の母親によりを戻してもらいたくて、「優勝したらお母さんと3人でご飯に行こう」って一生懸命誘うんだけど、監督に「もうお前のお母さんとは終わったんだ」と突き放され、涙を流すシーンはジーンと来ます。

更にこのシーンは少女に背を向けて去っていくウォルター・マッソーも泣いているんですよ。こんなやりとりをできるのは、この二人しかいません。

 

こんなエピソードをサラリと入れるなんて、脚本上手すぎ。

 

不良との淡い初恋みたいな話もあり、この映画のテータム・オニールは天才子役と言われる才能を全開にしています。

これだけ上手かったのに、この後3作で一旦映画界を去ってしまったのは残念。

あと、お姉ちゃんがこんなに上手いのに、弟(グリフィン・オニール)に同じような演技力がなかったのも残念です。

 

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そしてこの映画の一番憎いところが、最後の優勝決定戦を勝ちで終わらないところ

 

ランニングホームランで同点か?と思ったら、アウト。

ゲームセット、ベアーズの負け。

 

でも、一番下手な子がホームラン性の当たりをキャッチ出来たり、ずっと出番のなかった子たちが最後に全員出場したり、監督がみんなの信頼を取り戻して、チームが一つにまとまったりと「勝つ」以外の全てを手に入れたっていう満足感に溢れたラストはスカっとします。

 

アメリカのスポーツ映画ってこういう「勝負には勝てなかったけど、スポーツ精神では勝者になった」っていう作りが本当に上手い。

ディズニーの「カーズ」のラストのレースも同じだったなぁ、と思い出しました。

 

そう言えばチームの主軸になる不良少年がタバコを吸ったり、バイクに乗ってるんですが、今ならコンプライアンス上の問題で揉めるんじゃないかって心配しました。

(絶対にコンプライアンスはやり過ぎだと思う)

 

良質な脚本を適材適所の俳優たちが演じた、まさに家族全員で楽しめる映画でした。

特にスポーツ好きに限らず、多くの人には見て貰いたいです。

 

がんばれ!ベアーズ」はその後、「がんばれ!ベアーズ 特訓中」(1977)、「がんばれ!ベアーズ 大旋風 - 日本遠征」(1978)と二本の続編が作られましたが、肝であるウォルター・マッソ-とテータム・オニールは出演してません。

 

この映画もPRIME VIDEO、Netflix、U-Nextのサブスクにはなかったので、DVDレンタル屋で借りました。

新品のDVDは手に入るようです。