パグ太郎の<昭和の妖しい映画目撃者>

昭和の映画目撃談&時々その他いろいろ

ドラマ

【ドリームチャイルド】ファンタジーの顔をしたロリコンオヤジの純愛映画?

酷い中耳炎をやってしまい、更新が全然できませんでした。 すみません。 さて、子供の頃の印象と、大人になってから改めて見ると印象が違うってこと、ありますよね。 勿論、「昔は面白くないと思ったけど、今見ると面白かった」っていうのは、このブログで書…

【ダラスの熱い日】ケネディ暗殺陰謀論の正当な映画化だけど、何か足りない

子供の頃からケネディ大統領の暗殺は、オズワルドの単独犯ではなく、巨大な反ケネディ派による組織暗殺だった、っていう話はありました。 今でもいろんな人がオズワルド単独犯説には懐疑的で、オリバー・ストーン監督も「JFK」(1991)という映画で単独犯説…

【愛のコリーダ】阿部定は、実は乙女だった?と思わせる問題作

小学生の当時、絶対に見ることは出来ないけど、脳裏にその題名が焼き付けられた映画。 それが大島渚監督の問題作「愛のコリーダ」(1976) 実際にあった「阿部定事件」が題材の日仏合作映画。 ワイセツか芸術かでもめた映画でもあります。 監督の大島渚さん…

【天国の日々】繊細な人間関係が描かれる、短くも美しい映画。

すごくいい映画だっていうのは、ずっと前なら知ってたけど、なんとなく避けてた、そんな映画の一本が「天国の日々」(1978製作/1983日本公開)。 寡作の名監督テレンス・マリックのデビュー作です。 特に彼の「シン・レッド・ライン」(1998)を見てから、こ…

【エディ&ザ・クルーザーズ】バンドを描いた音楽映画かと思ったら、ミステリーだった

元々、音楽映画というジャンルが好きです。 ミュージカルではなく、音楽映画。 要はバンドやレコード店が舞台になってるような映画です。 「ボヘミアン・ラプソディ」(2018)や「ドアーズ」(1991)といったミュージシャン実録物(「スパイナルタップ」(19…

【コードネームはファルコン】”これはアメリカじゃない”という言葉が重く響く社会派ドラマ

「普通の人々」(1980)でアカデミー助演賞を取り、当時勢いのあったティモシー・ハットンと、俳優として上り調子になってきたショーン・ペンの共演作。 実話に基づいた社会派ドラマ「コードネームはファルコン」(1985)。 これも初めて見たのは映画公開か…

【皇帝のいない八月】埋もれた高品質政治スリラー

クーデターって、独特のゾクゾクする緊張感がありますよね。 日本を舞台にしたクーデターを扱った映画がありました。 それが「皇帝のいない八月」(1978)。 日本映画の中でもとりわけ強く印象に残っています。 最初に見たのはTV。 偶然後半を見たんですが、…

【ブラック・サンデー】渋い男の隙間のないサスペンス

最近続いてる70年代サスペンス佳作シリーズ。 僕の世代の映画好きには幻の一本として記憶されてるのが「ブラック・サンデー」(1977製作/日本未公開)。 テロを扱った映画だったからか、謎の過激派組織からの上映中止の脅迫状が原因で、公開が取り止めになっ…

【風とライオン】渋くてカッコいい男を堪能出来る映画

子供の頃にテレビで見て、かっこいい!と思った映画の一本が「風とライオン」(1975製作/1976日本公開)。 ショーン・コネリーがアラブの族長を演じてます。 これがとっても似合ってるんですよ。 コスプレに見えない。 かなり男臭いドラマだった記憶のある、こ…

【スターダスト】実話の映画化だけど、実話である必要はあったのか?

2020年の映画だけど、舞台設定が70年代なのと、個人的に好きなミュージシャン、デヴィッド・ボウイの話なので、レビューします。 若きデヴィッド・ボウイを主人公にした映画「スターダスト」(2020年製作/2021年日本公開)。 4枚目のアルバム「ハンキー・ド…

【狼たちの午後】舞台劇のような濃密な人間ドラマ

70年代の大スター、アル・パチーノ。 80年代以降も定期的に出演して、比較的質の高い映画に出続けてます。 そんな彼の人気絶頂期の一本が、この「狼たちの午後」(1975製作/1976日本公開) 原題は「犬の日の午後」。これは猛夏の昼下がりってことです。 犬が…

【ビリー・ザ・キッド/21才の生涯】本当の主役はビリー・ザ・キッドではない

男の美学とバイオレンス。 中二病ってそういうの好きですよね。 当然、僕も憧れました。 男の美学とバイオレンスにまみれた映画と言えば、サム・ペキンパー。 だから僕の世代の男の子の映画ファンって、一度はサム・ペキンパーに憧れるんじゃないんでしょう…

【スクープ・悪意の不在】現代でも通じる報道の在り方を問う娯楽作

僕が子供の頃はポール・ニューマンは大スターでしたが、僕が中学生を過ぎる頃には出演作も少なめになってきて、やや外れの映画が多くなってきた時期だったように思えます。 そんな時期に見たのが「スクープ・悪意の不在」(1981製作/1982日本公開)。 実は、…

【勝利への脱出】サッカーヲタクになった今なら楽しめる佳作

あの時、つまらなっかた映画は本当につまらない映画なのか?を検証するシリーズはまだまだ続きます。 今回はシルベスター・スタローンとマイケル・ケイン主演の戦争映画「勝利への脱出」(1981)。 これも今回PRIME VIDEOの100円セールでポチるまで、「気が…

【フルメタル・ジャケット】キューブリックのベトナム戦争

映像作家として映画史に名前を刻まれてるスタンリー・キューブリック監督の戦争映画「フルメタル・ジャケット」(1987製作/1988日本公開)。 僕が初めてリアルタイムで見れたキューブリック映画です。 そして見た時は半分満足、半分不満でした。 今回見直し…

【エレファント・マン】「イレイザーヘッド」の格調高き弟

僕の敬愛するデヴィッド・リンチ監督のメジャー一作目「エレファント・マン」(1980製作/1981日本公開)。 公開された当時は、映画史に残る文芸作のような売り込みでした。 確かにアカデミー賞候補にもなってたし。(8部門ノミネート。受賞なし) でも、今で…

【類猿人ターザン(1981)】記憶に間違いなかった?!超凡作

子供の頃に見た映画の大半は、おおまかな印象と、どうでもいいシーンぐらいしか覚えてないです。 最近は、そのおおまかな印象が間違っているんじゃないかって思ってます。 特に「面白くない」っていう印象を持った映画は、「実は子供だったから、面白さが分…

【戦場のメリークリスマス】不覚にも胸が詰まったラストシーン

「戦場のメリークリスマス」(1983) 監督は大島渚さん。 海外での評価が高く、当時は「愛のコリーダ」(1976)でスキャンダラスなイメージがある監督でした。 主演も坂本龍一さん(当時YMO)とデヴィッド・ボウイということでも話題性は十分。 今でもテーマ…

【セント・エルモス・ファイアー】僕にとって最高峰の青春映画

「セント・エルモス・ファイアー」(1985製作/1986日本公開)。 思い出深い青春映画って何本もあります。 特に自分が10~20代だった80年代に集中しています。 「プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角」(1986)、「ヤングガン」(1988)、「メイド・イン・…

【タワーリング・インフェルノ】これこそ、昭和の娯楽大作!

昭和の時代の僕らにとってパニック映画大作の代名詞と言えば「ポセンドン・アドベンチャー」(1972)と、この「タワーリング・インフェルノ」(1974製作/1975日本公開)。 ちなみにどっちのプロデューサーは、災害ドラマの帝王と言われたアーウィン・アレン…

【欲望】ミステリー風味のスタイリッシュ不条理劇

昔から気になってた「欲望」(1967)が、PRIME VIDEOで100円レンタルになってたので、見てみました。 監督が三大映画祭全てで受賞している名監督ミケランジェロ・アントニオーニってことで、ちょっと小難しいかな?と警戒してるところもありました。 (あらす…

【ソルジャー・ストーリー】渋い人種格差サスペンス。

PRIME VIDEOで100円レンタルで見つけた「ソルジャー・ストーリー」(1984製作/1985日本公開)。 記憶の片隅にあった映画。 当時珍しい小型版のパンフレットが、我が家の本棚に眠ってました。 確か中野か吉祥寺の映画館で見た記憶があります。 でも残念ながら…

【クロスロード】今だから分かるブルースの面白さ

「クロスロード」(1986製作/1987日本公開)ってタイトルは、エリック・クラプトンもカバーしたロバート・ジョンソンの名曲「クロスロード」からの引用。 古いロックが好きな人には堪りませんね。 この映画は、まさにその「クロスロード」がネタの話。 製作…

【パラダイス・アレイ】スタローン初期の人情物。戦わないスタローンも良い?

今やアクションスターの大御所として語られるシルベスター・スタローン。 彼はチョイ役・脇役の長い下積時代を経て、「ロッキー」(1976)で一躍注目されました。 そんな彼の人情ドラマ「パラダイス・アレイ」(1978)をご存じでしょうか。 彼の半自伝とも言…

【TATOO<刺青>あり】宇崎竜童のチンピラぶりが最高

当時、見たことなくて、今でも気になっている映画が何本かあります。 その一本がこれ、「TATOO<刺青>あり」(1982)。 天下のキネ旬で年間6位になっているし、ブルーリボン賞のベストテン入りもしてます。 このブログにややふさわしくない(?)、正当な…