パグ太郎の<昭和の妖しい映画目撃者>

昭和の映画目撃談&時々その他いろいろ

ドラマ

【愛の嵐】ただの芸術的エロ映画かと思ったら、実は格調高いサスペンスだった

子供の頃から気になってた映画シリーズ。 今回取り上げるのは「愛の嵐」(1974製作/1975日本公開)。 主演にダーク・ボガードとシャーロット・ランプリングという実力派の俳優を配してます。 監督のリリアーナ・カヴァーニは後に女流文芸作家として名を馳せ…

【ロング・ライダーズ】ウォルター・ヒルの良さだけが出た味わい深い無法者映画

ウォルター・ヒルと言えば「男臭いカッコいい映画」を撮る監督と認識されてます。 「ストリート・オブ・ファイヤー」(1984)や「ウォリアーズ」(1979)なんかがいい例です。 でも作品によっては「勢いだけでドラマ性が薄い」「男はカッコ良く描けるけど、…

【㊙色情めす市場】これはエロ映画の名を借りた西成に生きる女の記録だ!

僕の世代って、今でも「にっかつ」って聞くとドキドキします。 それは何故か? 子供の頃、成人映画(18禁のエッチな映画)を作っていた映画会社が「日活」だったからです。 その成人映画のシリーズ名は「にっかつロマンポルノ」。 ビデオが普及する昭和60年ぐ…

【ワン・フロム・ザ・ハート】おとぎ話っぽい雰囲気の、シンプルな中年恋愛映画

見終わった後に「結局何だったの?監督は何を見せたかったの?」と思うような映画があります。 駄作でも、チープでもない。 手抜きもない。 寧ろ美術、音楽、演技とパーツを取り上げあれば完成度は高い。 でも組み合わせると「何だかな~」となっちゃう映画…

【ミシシッピー・バーニング】重苦しいが、目を離せない社会派ドラマ

旬の監督っていますよね。 80年代のアラン・バーガーはまさにそういう監督でした。 「ミッドナイト・エクスプレス」(1978)に始まり、「フェーム」(1980)「エンゼル・ハート」(1987)と良質で、でも決して軽くない「見応えのある」娯楽作を連発してまし…

【里見八犬伝】深作監督は神だ!可愛いは無敵だ!

「カドカワ映画」というブランドが世の中を席巻してた昭和50~60年代。 角川書店(角川春樹さん)は話題の小説や有名小説を次々と映画化。 本とのタイアップだけでなく、既存のスタジオが作るものよりずっと時代に合った高い娯楽性のある作品を連発していま…

【ライトスタッフ】世界一カッコいい「ガムをくれ」

映画を一回見ただけなのに、忘れられないセリフっていうのがありますよね。 「プレードランナー」(1982)の「2、2、4」だったり、「燃えよドラゴン」(1973)の「考えるな、感じろ」だったりします。 僕の自分の映画史上最高に忘れられなくて、最高にカッコ…

【タクシードライバー】今見ると、リアルに恐ろしい<オレの正義>の執行者

今回取り上げるのは鉄板の名作「タクシードライバー」(1976)。 真面目な映画名作選で、必ず上位にランクされる名作中の名作。 なので、「妖しい映画」のブログで取り上げるのが躊躇される映画です。 先日、知り合いが「タクシードライバー」を好きな映画に…

【狂い咲きサンダーロード】 ジンさん、あんたカッコいいよ

いつかは取り上げなければいけなかった伝説のカルト映画「狂い咲きサンダーロード」(1980) 正直、あまりにもカルト映画の王道過ぎて、今さら僕が取り上げるのはちょっと恥ずかしい気がしてました。 しかしこの名作が「公開45周年記念復活上映」ということで…

【ストリート・オブ・ファイヤー】ロックンロールの寓話という副題が全て!

このブログで繰り返し書いてますが、僕は「話」にとっても拘ります。 話が安直だったり、捻りがなかったりすると相当にガッカリします。 (反対に多少チープの映画でも、話の展開を工夫してる、考え抜いてるとやや過大評価しがちな傾向があるのが問題ですが…

【グレイストーク ターザンの伝説】ターザンじゃなければ良かったのに

見た時に「え?」となる映画ってあると思います。 大体は予告編やキャッチフレーズで期待したものと、実際の映画が大きく異なるケースです。 例えば予告編ではアクションシーンがバンバン出てきて、アクション娯楽作だと思ったら、アクションシーンは予告編…

【追悼のざわめき】これでもか、と言わんばかりに暗闇を見せつてくる150分

世の中には「あー、見てしまったよ・・・」と思う映画があります。 このコラムでもレビューした「イレイザーヘッド」(1977)は典型的な1本。 今回レビューするのは、そんな「見てしまった」と心からドヨンとする映画。 その名は「追悼のざわめき」(1988)…

【王になろうとした男】夢の見過ぎは悪夢で終わる?ベテランの演技合戦を楽しむドラマ

70年代は、文芸的な内容でも、娯楽作に仕立て上げるのが当たり前の時代。 そういう意味では、娯楽作と文芸作の垣根が今よりずっと低かった気がします。 今回レビューする「王になろうとした男」(1975製作/1976日本公開)も、そんな70年代の典型的な娯楽作。…

【フィツカラルド】壮大な狂気と、不可思議なハッピーエンド

最近、このブログでよく取り上げるベルナー・ヘルツォーク監督。 彼の名を日本で広めたのが「フィツカラルド」(1982製作/1983日本公開)。 ビジュアルイメージが凄いんですよ。 フィッツカラルド_船を山に引き上げるシーン もうこれを見ただけで「普通の映…

【アギーレ/神の怒り】静かな狂気と野望で仲間を破滅に導く男

カルト作品が常に超B・C級やエログロ、摩訶不思議なものばかりではありません。 きちんと作られ、筋立ても分かり易いのに、何故か万人受けしない映画というのがあります。 正確には「普通の人を拒否する」という表現が正しいかもしれません。 そんな文芸系カ…

【地球に落ちて来た男】ミュージシャンのデヴィッド・ボウイとふわっとした2時間半

昔からカルトSFとして有名な一本「地球に落ちて来た男」(1976製作/1977日本公開)。 でもB~C級ダメ映画でカルトになったのではなく、芸術的な意味でのカルト作。 SF映画好き&カルト映画好きなら、見ないワケにはいかない、ということで、大昔にビデオで見…

【リリー・マルレーン】当時分からなかった<時代>に翻弄された女性の物語

このブログで、昭和の時代に見たっきり、数十年ぶりに見返す映画のレビューを定期的に載せてます。 時々、「公開当時、全く面白くなかったんだけど、今見たらどうなんだろう?」という、ちょっと意地悪な目(?)で再見してるのもあります。 が、その中には…

【オーバー・ザ・トップ】肉体派スタローン全盛期に作られたMTV要素入り量産型映画

シルベスター・スタローンのフィルモグラフィ~の埋もれた一本「オーバー・ザ・トップ」(1987)。 この映画が公開されたのは、彼の代表作「ランボー」と「ロッキー」シリーズが最初の終盤に差し掛かっていた頃です。 (「ランボー3/怒りのアフガン」が1988…

【カリフォルニア・ドールズ】ガチでプロレスをやる美女二人と、とぼけたマナージャーのロードムービー

高校生の時に、期待せずに劇場で見たら、すごく面白かって映画があります。 特に当時の岐阜だと二本立てが基本だったので、おまけで見た方が良かった!ってこともしばしば。 そんな1本が「カリフォルニア・ドールズ」(1981製作/1982日本公開) 見たのは、今…

【フリック・ストーリー】アラン・ドロンがかっこよくない刑事を演じる実録モノ

アラン・ドロンが亡くなりましたね(8月18日)。 昭和の時代では他のスターと一線を画してました。 特に僕の親の世代には、世紀の二枚目として絶大な人気を博してました。 そんな大スター、アラン・ドロンですが、僕が劇場に通い始めた頃には、人気もピークを…

【ドリームチャイルド】ファンタジーの顔をしたロリコンオヤジの純愛映画?

酷い中耳炎をやってしまい、更新が全然できませんでした。 すみません。 さて、子供の頃の印象と、大人になってから改めて見ると印象が違うってこと、ありますよね。 勿論、「昔は面白くないと思ったけど、今見ると面白かった」っていうのは、このブログで書…

【ダラスの熱い日】ケネディ暗殺陰謀論の正当な映画化だけど、何か足りない

子供の頃からケネディ大統領の暗殺は、オズワルドの単独犯ではなく、巨大な反ケネディ派による組織暗殺だった、っていう話はありました。 今でもいろんな人がオズワルド単独犯説には懐疑的で、オリバー・ストーン監督も「JFK」(1991)という映画で単独犯説…

【愛のコリーダ】阿部定は、実は乙女だった?と思わせる問題作

小学生の当時、絶対に見ることは出来ないけど、脳裏にその題名が焼き付けられた映画。 それが大島渚監督の問題作「愛のコリーダ」(1976) 実際にあった「阿部定事件」が題材の日仏合作映画。 ワイセツか芸術かでもめた映画でもあります。 監督の大島渚さん…

【天国の日々】繊細な人間関係が描かれる、短くも美しい映画

すごくいい映画だっていうのは、ずっと前なら知ってたけど、なんとなく避けてた、そんな映画の一本が「天国の日々」(1978製作/1983日本公開)。 寡作の名監督テレンス・マリックのデビュー作です。 特に彼の「シン・レッド・ライン」(1998)を見てから、こ…

【エディ&ザ・クルーザーズ】バンドを描いた音楽映画かと思ったら、ミステリーだった

元々、音楽映画というジャンルが好きです。 ミュージカルではなく、音楽映画。 要はバンドやレコード店が舞台になってるような映画です。 「ボヘミアン・ラプソディ」(2018)や「ドアーズ」(1991)といったミュージシャン実録物(「スパイナルタップ」(19…

【コードネームはファルコン】”これはアメリカじゃない”という言葉が重く響く社会派ドラマ

「普通の人々」(1980)でアカデミー助演賞を取り、当時勢いのあったティモシー・ハットンと、俳優として上り調子になってきたショーン・ペンの共演作。 実話に基づいた社会派ドラマ「コードネームはファルコン」(1985)。 これも初めて見たのは映画公開か…

【皇帝のいない八月】埋もれた高品質政治スリラー

クーデターって、独特のゾクゾクする緊張感がありますよね。 日本を舞台にしたクーデターを扱った映画がありました。 それが「皇帝のいない八月」(1978)。 日本映画の中でもとりわけ強く印象に残っています。 最初に見たのはTV。 偶然後半を見たんですが、…

【ブラック・サンデー】渋い男の隙間のないサスペンス

最近続いてる70年代サスペンス佳作シリーズ。 僕の世代の映画好きには幻の一本として記憶されてるのが「ブラック・サンデー」(1977製作/日本未公開)。 テロを扱った映画だったからか、謎の過激派組織からの上映中止の脅迫状が原因で、公開が取り止めになっ…

【風とライオン】渋くてカッコいい男を堪能出来る映画

子供の頃にテレビで見て、かっこいい!と思った映画の一本が「風とライオン」(1975製作/1976日本公開)。 ショーン・コネリーがアラブの族長を演じてます。 これがとっても似合ってるんですよ。 コスプレに見えない。 かなり男臭いドラマだった記憶のある、こ…

【スターダスト】実話の映画化だけど、実話である必要はあったのか?

2020年の映画だけど、舞台設定が70年代なのと、個人的に好きなミュージシャン、デヴィッド・ボウイの話なので、レビューします。 若きデヴィッド・ボウイを主人公にした映画「スターダスト」(2020年製作/2021年日本公開)。 4枚目のアルバム「ハンキー・ド…