ネタとして有名な80年代のホラー映画って、何度もテレビで片手間に見てたりするんで、なんとなく見た気になってるものも多いんです。
よく考えたら、最初から最後までちゃんと通して見たことがなかったりします。
かの有名な「エルム街の悪夢」(1984製作/1986公開)も、そんな一本。
今回は意を決して見てみることにしました!
(あらすじ)
ある日、主人公は手に刃物をつけた男に襲われる夢を見る。高校の友達に話すと、彼女も同じような夢を見ていた。そして、その友達が寝室で、謎の惨殺死をすると、主人公は夢の中の男が襲っていると確信するが、誰も信じない。もう一人の友達も死んだことで、男に襲われないように寝ないようにしようとするが・・・
まずオープニングのクレジットを見ていて、ビックリ。
ジョニー・ディップ
え?出てたの?
全然知りませんでした。
(こんなんじゃ、ホラー映画マニアとは言えませんね)
ちなみにウィキペディアの「ジョニー・デップ」のページには、この作品が出演作の一番上に書かれてます。
出世作の「シザーハンズ」(1990)よりも前の、下積み時代ですね。
パッと見た時、彼って分からなかったんてすよ。
余程、彼のファンでないと、「主人公のボーイフレンド役はジョニー・ディップ」っていう目で見ていないと気付かないんじゃないんでしょうか。
だって海賊の格好もしてないし、指にハサミもつけてないし。
ホント、普通の高校生。
確かによーく見ると、「あー、ジョニー・ディップだ!」と分かるレベルです。
さてお話は仲良し四人組が揃って、殺人鬼・フレディに襲われる夢を見るようになります。夢ならまだいいんだけど、これが切られると現実の自分も切られてるんで、主人公は「これはこれはやべー」、と思って、ひたすら寝ないようにがんばります。
「夢の中で殺人鬼に殺されたら、本当に死んじゃうのよ」と主人公が訴えますが、お約束通り、大人は「こいつ、病んでるんだな」と疑い、信じない友だちは次々とフレディの餌食。
主人公はフレディに襲われないように、ひたすらコーヒーをがぶ飲みして、眠気と戦います。
テスト前の高校生のようです。
さすがに周りで人が死ぬわ、主人公はケガするだけじゃなく、夢の中からフレディの帽子を持って帰るってくるわ、となって、証拠を見た主人公のお母さんが「実は私が子供の時に、フレディっていう殺人鬼が実在して、みんなで焼き殺したの!」って告白。
フレディって地縛霊みたいなもの?
恨んでるなら、なんでお母さんじゃなくて、その子供を襲うの?
ってか、最初から娘の夢の話を、フレディのことだって薄々気づいてましたよね???
と疑問が。
こういうホラー映画は、話の合理性や伏線なんて考えたら負け。
そもそも、伏線もあるんだか、こじつけなんだか分からないレベルだし、話も大筋も夢の中のフレディからどう逃げるか、どう戦うかだけ。
とにかく中身なんて、ほぼないといっても過言じゃないです。
他にも、フレディは主人公の友だちはあっさり殺すのに、何故か主人公を襲う時はモタモタして取り逃がしちゃう、っていうにもお決まりですね。
吉本新喜劇と同じです。
更にラストは意を決した主人公が家中にブービートラップを仕掛けまくって、夢から現実に引っ張り出したフレディをやっつけるんですが、これが凄い。
準備時間僅か10分。
それなのにトラップはピタゴラスイッチ顔負けの凝りよう。
主人公、やたら日曜大工が上手いです。
そしておびき出されたフレディは、「ホームアローン」(1990)の間抜けな泥棒のように、全部のブービートラップにかかるんてす。
ここはもうギャグ
「8時だよ、全員集合」の最後に荒井注さんの頭に、上から落ちてきた金属タライが当たって大団円になる、あれのノリに近いかも。
そしてついにフレディを退治。
そして目が覚めたら、全てが夢で、友だちもみんな生きていて良かった~、と思ったら・・・
まぁ、ホラーファンなら、最後のオチは「またこれかー」って思うの間違いなし。
とにかく中身は清々しいぐらいスカスカです。
まぁ、監督がB級ホラー職人のウェス・クレイヴンなんで、それぐらい予想しろよ、って話ですが。
縄跳び歌の謎とか、夢の中の殺人鬼とか、面白くなりそうなネタはあるんですが、どれもこの映画では効果的に使われてません。
夢の中と現実の入子構造なんて工夫すれば、もっと「あれは夢だったのか?それとも現実か?」っていうミステリーっぽいスリリングな話になったハズ。
これは絶対に謎解き要素を全面に出すべき映画だった思います。
この一作目だけ見ると、続編がバンバンできたり、フレディがホラー界のアイコンになるんて想像出来ません。
僕はホラー映画を見る目がないんでしょうか・・・
世界的大ヒットって割に、全米公開から日本公開まで2年も空いてるのは、最初は日本の配給会社での評価は低かったんだけど、海外の反応を見て急遽公開したのかもしれませんね。
ちなみに2010年にリメイクされてますが、予告編を見るとちょっとカッコ良さそうなので、気になります。(なんてって製作がマイケル・ベイなんで絵作りは派手そうです)
今回はPRIME VIDEOの100円レンタルセールで見ました。
Blu-rayは格安で手に入るようです。