パグ太郎の<昭和の妖しい映画目撃者>

昭和の映画目撃談&時々その他いろいろ

2024-01-01から1年間の記事一覧

【宇宙人東京に現わる】パイラ人に騙されるな!実はとっても真面目なパニックもの

どうしても強烈な先行イメージが邪魔をして避けられる映画っていうのがあります。 そんな一本が「宇宙人東京に現わる」(1956)。 この映画と言えば、宇宙人「パイラ人」。 この宇宙人のお陰で、チープなSFモノじゃないの?と思われて、見ず嫌いな人も多いん…

【うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー】終わらない文化祭の準備という青春の本質を突くアニメ

ギャグ映画を装ったシリアスなSF。 そして最高の青春アニメにして、カルト作品。 それが「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」(1984)。 当時、熱狂的に支持されてたようですが、僕は「ふーん」という感じでした。 でも今見ると、ちょっとジーンと…

【リリー・マルレーン】当時分からなかった<時代>に翻弄された女性の物語

このブログで、昭和の時代に見たっきり、数十年ぶりに見返す映画のレビューを定期的に載せてます。 時々、「公開当時、全く面白くなかったんだけど、今見たらどうなんだろう?」という、ちょっと意地悪な目(?)で再見してるのもあります。 が、その中には…

【ハイランダー 悪魔の戦士】設定とスタイリッシュな映像の食い合わせが悪いSF

世の中には、劇場公開時にリアルタイムだったファンには記憶されてるものの、その後の世代には「それ何ですか?」的な扱いを受けてるものがあります。 今回、レビューする「ハイランダー 悪魔の戦士」(1986)はまさにそんな作品。 主演は、この頃旬だったク…

【地獄のデビル・トラック】スティーブン・キング先生、作家に専念なされた方がよいかと・・・

超ベストセラーホラー作家、スティーブン・キング。 本の売り上げだけでなく、出す小説が全て映画化されてるんじゃないか?って思うほど彼の本が原作の映画はたくさんあります。 その中には処女作「キャリー」(1976)を始め、「シャイニング」(1980)、「…

【世にも怪奇な物語】昭和時代の、良質な奇談2本+オマケ1本立て

映画を見てトラウマになることがあります。 僕にとって、封切りの時に見た「イレイザーヘッド」(1977)や「ゾンビ」(1978)はそれに当たります。 今回レビューする「世にも怪奇な物語」(1968)もそんな一本。 小学校低学年の時に、祖母の家の板の間に寝転…

【ザ・ダーク】影が薄すぎる悪役エイリアンと雑談だけの話

世の中には言われないと思い出せないってものがあります。 映画もしかり。 見た映画を全部覚えてて、そらで言えるはずもなく、言われて記憶の奥底からゴソゴソ出してくるような映画はたくさんあります。 そんな映画は、暇な時にサブスクの映画リストをくまな…

【オーバー・ザ・トップ】肉体派スタローン全盛期に作られたMTV要素入り量産型映画

シルベスター・スタローンのフィルモグラフィ~の埋もれた一本「オーバー・ザ・トップ」(1987)。 この映画が公開されたのは、彼の代表作「ランボー」と「ロッキー」シリーズが最初の終盤に差し掛かっていた頃です。 (「ランボー3/怒りのアフガン」が1988…

【パラダイム】相変わらず「何故、どうして?」は禁句のカーペンターのホラー映画

ジョン・カーペンター監督の映画って、見終わった後に「やっぱりB級(以下)だったかぁ」っていう思いをすることが本当に多いんですよ。 でもね、それでもついつい見ちゃうんです。 「男には負けると分かっていても、行かなきゃいけない戦いがある」 それと…

【カリフォルニア・ドールズ】ガチでプロレスをやる美女二人と、とぼけたマナージャーのロードムービー

高校生の時に、期待せずに劇場で見たら、すごく面白かって映画があります。 特に当時の岐阜だと二本立てが基本だったので、おまけで見た方が良かった!ってこともしばしば。 そんな1本が「カリフォルニア・ドールズ」(1981製作/1982日本公開) 見たのは、今…

【人類SOS! トリフィドの日】本当に怖いのはトリフィドではなく、人?

昔のTVは、夜9時になると映画の時間でした。 月曜ロードショー、水曜ロードショー、ゴールデン映画劇場、日曜洋画劇場・・・ 僕は地方だったので、これぐらいでしたが、東京や大阪だと毎日のようにやってたんじゃないでしょうか。 僕もTVでいっぱい映画を見…

【ゾンゲリア】看護婦に騙されるな!これはミステリアスな恋愛映画だ!

今回は前回のダン・オバノンつながりで。 取り上げるのは子供の時に見たくて、見たくて仕方がなかったゾンビ映画「ゾンゲリア」(1981)。 本当に見たくて、見たくて仕方なかったんですよ。 だって脚本はあのダン・オバノン。 有名な、看護婦が包帯グルグル…

【バタリアン】マニアのための異色ゾンビコメディ?!?

「エイリアン」(1979)の脚本家、奇才ダン・オバノンが監督・脚本を担当したゾンビ映画。 それが「バタリアン」(1985製作/1986日本公開) ポスターを見た時から、ジョージ・A・ロメロのゾンビシリーズとはちょっと違うなぁ、というのは薄々感じてました。 …

【フリック・ストーリー】アラン・ドロンがかっこよくない刑事を演じる実録モノ

アラン・ドロンが亡くなりましたね(8月18日)。 昭和の時代では他のスターと一線を画してました。 特に僕の親の世代には、世紀の二枚目として絶大な人気を博してました。 そんな大スター、アラン・ドロンですが、僕が劇場に通い始めた頃には、人気もピークを…

【アウトローブルース】お気楽で、手軽な70年代娯楽作品

何度も同じことを書いてますが、僕が子供の頃の岐阜は二本立てが当たり前。映画館の数は少なくなかったと思いますが(1980年代は岐阜市の中心地に10館ぐらいありました)、それでも地方ってことで二本立てで、かなりの数の映画を公開してました。 ただ二本立…

【未来世界】佳作SF映画の、通俗的で質の低い続編

「未来世界」(1976制作/1977公開)は、SF映画の佳作「ウエストワールド」(1973)の続編。 小学校の時に、雑誌<スクリーン>でこの映画の記事を読んで、とっても見たくなりました。でも、当時は一人で勝手に映画に行くことが出来ないし、親はこの映画に全…

【ウエストワールド】70年代的SFマインド溢れる佳作。こんなテーマパーク、今でも欲しい!

子供の頃(昭和50年代)にTVの洋画劇場でよく見ていた作品「ウエストワールド」(1973)。 「西部」「中世ヨーロッパ」「古代ローマ」のぞれぞれの世界で、人間そっくりのロボットがお客さんの相手をしてくれます。 お客さんは、その世界でロボット相手に決…

【ドリームチャイルド】ファンタジーの顔をしたロリコンオヤジの純愛映画?

酷い中耳炎をやってしまい、更新が全然できませんでした。 すみません。 さて、子供の頃の印象と、大人になってから改めて見ると印象が違うってこと、ありますよね。 勿論、「昔は面白くないと思ったけど、今見ると面白かった」っていうのは、このブログで書…

【ロボコップ】ブラックユーモア全開のアメリカ製ロボット刑事

「ロボコップ」(1987制作/1988日本公開)。 とっても位置付けに難しい映画です。 マニアックな映画というほどマイナーではなく、むしろみんなが知ってる映画。 でも同じ頃のSF映画「ブレードランナー」(1982)のような名作とか、完成度の高い作品という評…

【ゴーストバスターズ】初公開時の時のガッカリは何だったんだろう?テンポよくコンパクトにまとめられたコメディ

封切時に見た時は、かなりガッカリした映画として記憶されてる「ゴーストバスターズ」(1984) 1985年の正月映画はこの映画と、「グレムリン」(1984)と「ゴジラ」(1984)というSF/ファンタジー映画が目玉でした。 当時購読していたSF雑誌スターログでも、こ…

【ファンタズム】新感覚ホラー?侵略物SF?それとも思い込みの激しい少年の妄想?

公開当時、新感覚のホラー映画として宣伝された「ファンタズム」(1979) SF/ホラー映画にどっぷりつかっていた当時の僕は、当然劇場に足を運びました。 場所は今も昭和の繁華街・柳ヶ瀬で唯一、昭和の時代から生き残っているロイヤル劇場。(今は名画座) …

【喜劇競馬必勝法 大穴勝負】懐かしい昭和の岐阜が見られる人情劇

実家に帰省している時に、地元の名画座・ロイヤル劇場の前で、「岐阜でロケが行われた映画特集」というポスターが貼ってありました。 そこにあったのが「喜劇競馬必勝法 大穴勝負」(1968) 自分の出身地「岐阜」がロケ地になるってレア過ぎますよね。 それ…

【ダラスの熱い日】ケネディ暗殺陰謀論の正当な映画化だけど、何か足りない

子供の頃からケネディ大統領の暗殺は、オズワルドの単独犯ではなく、巨大な反ケネディ派による組織暗殺だった、っていう話はありました。 今でもいろんな人がオズワルド単独犯説には懐疑的で、オリバー・ストーン監督も「JFK」(1991)という映画で単独犯説…

【愛のコリーダ】阿部定は、実は乙女だった?と思わせる問題作

小学生の当時、絶対に見ることは出来ないけど、脳裏にその題名が焼き付けられた映画。 それが大島渚監督の問題作「愛のコリーダ」(1976) 実際にあった「阿部定事件」が題材の日仏合作映画。 ワイセツか芸術かでもめた映画でもあります。 監督の大島渚さん…