パグ太郎の<昭和の妖しい映画目撃者>

昭和の映画目撃談&時々その他いろいろ

【ピラニア2/殺人魚フライングキラー】自分のセンスのなさに今更脱帽

今回思い出を語るのは「ピラニア2/殺人魚フライングキラー」(1981製作/1982日本公開)です。

 

グレムリン」のジョー・ダンテ監督のデビュー作「ピラニア」の続編です。

「ピラニア」は「JAWS」のヒットにあやかって量産された動物パニック物の一つ。

本家スピルバーグ監督も高評価した作品で、2010年にはリメイクされてます。

 

でも、この作品はタイトルだけ「2」ですが、直接の繋がりはありません。

 

(あらすじ)

カリブのリゾート島が舞台。沖にあるダイビングスポットには軍の沈没船があった。その中には軍が秘密裏に開発したトビウオとイワシを掛け合わせて殺人魚の卵があった。それは孵化し、群れをなして人を襲い始めていた・・・


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最近「バーニング」「テンタクルズ」のことを書きましたが、残念ながらこの作品も同じカテゴリーです。

 

pagutaro-yokohama55.hatenablog.com

 

pagutaro-yokohama55.hatenablog.com

 

当初は「ピラニア」と同じ制作会社が作るはずが、いろいろあってイタリアの会社が作ることになったんです。あの「テンタクルズ」を作った会社です。

スタッフの多くも「テンタクルズ」のスタッフだったとか。調べてみると、確かに制作や撮影は同じ人です。

この時点で、この映画の方向(運命)はほぼ決まったと言えるでしょう。

 

この映画、「バーニング」と同じく、80年代B級映画のお約束「おっぱいいっぱい」です。冒頭からがっつりエロいシーンが出てきます。勿論、話的にはエロい必要はありません(笑)そしてこの映画でも「おっぱいいっぱい」は死亡フラグです。

80年代って分かりやすくていいですね。VIVA 80年代!

 

殺人魚フライングキラー パンフレットの表紙

話は主人公の女性海洋学者がフライングキラーの存在に気付くものの、リゾートホテルのオーナーは「明日は大切なイベントの日だ。中止なんかできるか。お前はクビだ」という、こちらもお約束の展開に。

この時点でクライマックスの舞台がイベントであることが告知されているようなもんです。

 

やがて「イイ仲」になったホテルの客が、「実はオレは元軍の科学者で、あれを作ったんだよー。困ったなぁ」ということで「フライングキラー」の存在が確定。

 

その間にもおっぱいを出した人が予定調和的に死んだりして、期待を裏切りません。

 

ホテルのオーナーに警告するものの、告知通りイベントが開かれ、告知通り「フライングキラー」が大挙お出まし。いっぱいドバドバと殺られます。

最後は沈没船にダイナマイトをしかけ、爆破。浮気相手の元科学者もフライングキラーに襲われて死んで、別居中の旦那と抱き合ってめでたしめでたし(?)

 

ストーリー的には、テンタクルズより王道です。軍の陰謀とか、反対するホテルオーナーとか出てくるし。人間ドラマ部分もソツなくまとめています。展開もたるみはなく、比較的無駄なく進んでいきます。

登場人物も中心キャラの周りに、分かりやすい死亡フラグが立っているキャラをほどよくまぶしてます。

 

この映画をB級たらしめてるのは「フライングキラー」ですね

 

群れで泳ぐシーンはよくできています。

問題は空を飛んで襲ってくるシーン。鳥みたいにパタパタ羽ばたいて襲ってくるんですよ。

 

ギャグです。ネタです。

 

襲われる人は明らかに「フライングキラー」のフィギュアを両手で自分の首に押し当てて「やめろ、うわー」と言ってます。

 

バラエティ番組のコントです。

 

シーンによっては「フライングキラー」が明後日の方向に見てたり、フィギュア丸出しになります。

 

これがB級の魅力と言えば、魅力なんです。

まさにこの映画の個性=見どころと言えば、このフライングキラーです。

それを見るためにあると言っても過言ではありません。

 

そしてそんなとんでも映画を監督したのは、なんと「ターミネター」や「エイリアン2」「アバター」のジェームス・キャメロン

彼の初監督作品です。

 

ちなみに急遽監督を任され、英語の話せないイタリア人スタッフに囲まれて苦労した挙句、途中でクビになったとか。

それでもアメリカ映画として上映するためには、監督がアメリカ人である必要があるので、そのままクレジットされてるそうです。

キャメロン監督はこの映画を自身の黒歴史として、フィルモグラフィーから抹消したいようです(笑)

 

最後に岐阜あるあるなんですが、この映画も二本立て(B級映画だから当たり前か)で、同時上映はショーン・コネリー主演の「シークレットレンズ」というブラックユーモア系の政治映画。全くワケのわかない映画でした。

 

僕は封切初日に行きました。

それも後輩の女の子を誘って。

初デートってうヤツです・・・

 

自分の見たい欲望を優先させて、こんな二本立てをデートに選んで、本当にやっちまったと思いました。

それにも関わらず、次もデートしてくれた彼女は、本当に立派(男前?)だったなぁ、と今でも思います。

 

ちなみにこの映画はAMAZON PRIMENetflix、U-Nextの定額サブスクにはありません。

今回は中古DVDを購入して視聴しましたが、新品のDVDはまだ手に入るようです。

 

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