パグ太郎の<昭和の妖しい映画目撃者>

昭和の映画目撃談&時々その他いろいろ

【嗚呼!!花の応援団】嗚呼!!懐かしき昭和のマンガ映画

「嗚呼!!花の応援団」と聞いて、ある一定の年代は妙な懐かしさを感じるんじゃないでしょうか。

思い出すのは何よりも大ヒットマンガ(1975-1979)。

あまりのヒットにプラモデルが発売されたぐらいです。(僕も買いましたw)

 

そんな大ヒットマンガの映画化が「嗚呼!!花の応援団」(1976)。

リアルタイムで劇場で見てないですし、その後ビデオでも見ていません。

つまり今回が初見です。

さて、どうだったか。

 

(あらすじ)

南河内大学の新入生二人は軟派な部活に入るつもりが、強引に応援団に入部させられてしまう。個性豊かな先輩たちの中で、一際異彩を放っていたのが3年生の青田赤井道だった・・・先輩達の鬼のしごき&いじめの中、いろいろな事件が起こる・・・

 

昭和の時代には、令和時代に負けず劣らずヒットマンガの実写映画がよく作られてました。

でも、その実写化って今時のマンガの映画化とはちょっと違うんです。

今ならCGを駆使したり、設定やイメージを変えたりして、リアルに見えるように工夫するじゃないですか。

でも昭和の実写化って、メイク等で無理くりマンガのイメージを再現しようとするんですよ。

写真で見るだけでも「ありえへん!」っていう感じ。

違和感以外、何もでもないです。

 

まさにマンガ映画

 

ドカベン」(1977)の岩鬼なんてイイ味だしてます。

 


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本当はせんだみつおさん主演の「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(1977)がめっちゃインパクトあるんですけど、DVDはおろか、予告編など映像の断片もなく、東映チャンネルで配信もされてません。

あまりにも内容を改変し過ぎて、原作者の秋元治先生が激怒した結果、封印されてしまったという話も・・・残念。

 

勿論、「嗚呼!!花の応援団」も無理くり実写化されたマンガ映画です。

こちらも主人公の青田赤道を出来る限り再現してます。

 


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マンガ映画は東映がたくさん作ってた記憶があるので、この映画も東映だと思ってたんですが、調べたら日活でした。

 

そこでマンガ映画の歴史を紐解くと、初期は日活が結構作ってたんですね。

 

代表作は「ハレンチ学園」(1970)、「あしたのジョー」(1970)、「野球狂の詩」(1977)です。

 

野球狂の詩」では木之内みどり演じる水原勇気は可愛かったですねー。

ただし投げるポーズは全くダメでしたが。

 

しかし70年半ばから、東映が一気に「おいしそうなマンガ」の実写化をかっさらっていきます。

 

「女囚701号/さそり」(1972)、「ゴルゴ13」(1973)、「男組」(1975)、「ドカベン」、「ドーベルマン刑事」(1977)、「サーキットの狼」(1977)、「こちら葛飾区亀有公園前派出所」等、豪華です。

 

東映がマンガ実写化に力を入れたことだけでなく、日活の経営が傾いて、1971年からロマンポルノ路線に軸を移したことが原因じゃないでしょうか。

(あと集英社の作品が多そうなことから、東映集英社の連携があったのかもしれません)

 

マンガ映画って、単体で上映されることはなくて、お正月やお盆に二本立てで公開さることが多かった気がします。

実際に「嗚呼!!花の応援団」にも同時上映があって、「四畳半青春硝子張り」という

ちょっとエッチいなところもある、青春映画だったようです。

この辺りは日活っぽいですね。

 

無理やり似せたマンガ映画って、当時は「使い捨て」映画でした。

この映画も第三弾まで作られたんですが、第二弾と第三弾のネガフィルムはジャンク処理されたそうです。

そんな「使い捨て映画」ですが、現在では怪作としてカルト映画化扱いになってます。

そのお陰で上映会が企画されたり、商品化されたりと、同時代の「真面目に作られたけど、人気が出なくて忘れ去られた」映画より好待遇。

「無理やり似せて良かった」ってことでしょうか。

 

「嗚呼!!花の応援団」はDVDボックスまで発売されました。

 

さて「嗚呼!花の応援団」ですが、キャラの似せ方(特に主人公の青田赤道)が強烈過ぎて、話にまで気が回りません。

もうね、ヤジを飛ばしながら見る同級生の学芸会的なノリ。

 

まさに昭和のチープな娯楽作品の匂いがプンプンする映画です。

 

当然、昭和のB級娯楽映画なんでオッパイポロリは当たり前。後輩に対する過激なイジリ(いじめ)があったり、差別発言があったりと、今のコンプライアンス的な目で見たら完全にアウト。

まぁ、お笑いなんで笑って流す話ではあると思うんですけど。

 

短いエピソードを繋いでいく展開。

勿論バカバカしい話が中心ですが、そこに友情だったり、恋愛だったり、複雑な家庭事情といった要素もごった煮のように入ってきます。

格闘マンガになる前の、おバカ話が中心だった時代の「魁!!男塾」に似てます。

(「魁!!男塾」が「嗚呼!!花の応援団」に影響を受けてるのかも)

後半の主人公と1年生の色恋エピソードは、ちょっと真面目な展開で、最後にちょっとホロっとさせてくれます。

 

典型的な二本立て用のプログラムピクチャーで、「その場限りの楽しさ」を提供するためだけの映画です。

話の内容よりも、実写でマンガのキャラを目の前に見せる」ことが目的なのがマンガ映画。この映画はそれを王道でいっています。

きっと後世まで見て貰おうなんて考えてなかったと思うんですよね。

 

だから、映画としてどーの、こーのって語っても意味がなくて、無理くりなキャラをいかに楽しめるか、っていう視点でしか見ない(僕のような)昭和のトンデモ映画好き向けです。

 

真面目な映画ファンは見る必要ないし、見なくても人生困りません

 

だけど嫌いにならず、そっとしておいて下さい。(笑)

 

今時のシネコンではなく、昭和のいつでも出入りできた映画館で見た娯楽映画の雰囲気を味わいたければお勧めです。

 

 

この映画PRIME VIDEOのサブスクで見ました。今のところ、日活3部作がサブスクで見れます。

(ちなみにこの日活シリーズに出演した役者さん達がエクゼクティブ・プロデューサーや監督になって、1996年にリメイクが作られたそうです)

 

DVDは先述のボックスセット、単品ともに入手困難です。