パグ太郎の<昭和の妖しい映画目撃者>

昭和の映画目撃談&時々その他いろいろ

【キングコング2】展開・スケール感、豪華さは揃っていたが、肝心のコングが・・・

話題作の続編なのに、それほど注目されず、ひっそりと映画の歴史の中に埋もれていっく作品が何本もあります。

例えばこのブログでも取り上げた「サイコ2」(1983)や「ポセイドン・アドベンチャー2」(1979)とかでしょうか。

そのリストに名前を連ねる作品のが「キングコング2」(1986)。

リメイク版「キングコング」(1976)の続編という立ち位置です。

 

僕もサブスクで発見するまで、すっかりその存在を忘れてました。

そんな忘れられた映画を初めて見てみます!

 

(あらすじ)

10年前にニューヨークで暴れ、軍隊の攻撃でワールド・トレードセンターから墜落したキングコングは、実は秘密裡に研究施設で昏睡状態で生きていた。コング用人工心臓を製作し、弱った心臓と入れ替える計画が進んでいたが、コングの体内血液が不足して、手術を行えないことが判明。そんな時、冒険家がボルネオ島で新たな雌のコング(レディ・コング)を捕獲し、研究所は彼女からキングコングに輸血し無事に人口心臓を移植する。目覚めたコングは離れた場所に囚われてるレディ・コングの存在を感知し、彼女を救うべく、研究所の隔離施設を破壊して脱走する・・・


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まぁ、そもそも前作のリメイク版「キングコング」は話題性たっぷりでしたが、名作だったかというとかなり疑問符の付き作品でした。

 

pagutaro-yokohama55.hatenablog.com

 

なので何故、10年も経ってそんな映画の続編を作ろうっていうことになったのか、とっても謎です。

これ、当時も同じことを思ったってことを思い出しました。

まぁ、よく考えたらそんな作品の続編なので、当時から世間の期待度、注目度が低くかったんじゃないんでしょうかね。

そもそも「前作を超えられる続編はほとんどない」と言われてますから、出来も押してしるべし?

なので忘れられたのは必然なのかも・・・

 

さて前作が古典「キング・コング」(1933)のリメイクだったのに対し、今回はオリジナルストーリー。

てっきり人工心臓を埋め込まれた復活キングコングが新たな力を得て暴れる話かと思うじゃないですか。

実際に原題は「KING KONG LIVES」(キングコングは生きていた)ですよ。

 

でもね、この映画、実は

 

恋愛映画!

 

それも、キングコングとレディコングの・・・

そしてキングコングはレディコングの尻に敷かれてるっぽいんです。

もうね、そうきたか、最初からカルト映画になることを目指してたのか、と思ってしまいました。

 

そもそもレディコングって♂のキングコングと差別化を図るため、おっぱいがあるんですよ。

マンガみたいにボヨーンってやつじゃないんです。

小さい目なんですけど、でも女性だな、って分かります。

ちょっと目のやり場に困る感じる人も多いんじゃないですかねぇ。

あとは僕みたいに苦笑いじゃないでしょうか。

 

造形は「エイリアン」(1979)でエイリアンを、「E.T.」(1982)でETを作ってアカデミー視覚効果賞を二度受賞しているカルロ・ランバルディ。

僕の大好きなデヴィッド・リンチ版の「デューン/砂の惑星」(1984)も彼が造形を担当していました。

そんな名匠ですから、きっと「コングのおっぱいかよー。なんでこんなのオレがやるんだよ~」って思ってたかも。

 

それだけでなく、この映画はとにかく突っ込みどころ満載。

 

山に逃げたキングコングを軍隊が捜索するんですが、「山に逃げたので見つかりません」ってなったんですよ。

でもコングがいるのは、山の中の平地みたいなところ。周りの樹もコングが隠れられるほど高くなくて、ヘリコプターならすぐ見つかるんじゃね?って感じ。

 

更にそんな野原みたいな山の中でキングコングに甘えるレディコング。

ここ、完全に高校生の青春ドラマみたいな展開

 

挙げ句の果てに、レディコングが妊娠してたのが発覚。

 

いつHしてたの?

ってか、あんな開けた山ででかいコングがHしてたら、絶対にバレるよね??

あとコングって露出趣味なのんでしょうか?

 

キングコングに人工心臓を移植するシーンも見所。

クレーン車でデカい人工心臓を吊り、巨大な鉗子やメスを3人がかりで使うんですよ。

これが普通の手術器具をそのまま巨大にしただけのシロモノ。

まるで小人が巨人の国の手術道具を使う感じ。

これ、ギャグですよね?

 

まぁ、日本のポスターも相当の詐欺案件。

こんなにコング、勇ましくないし。

このイラストは有名なイラストレーター、生頼範義さんの作品。

生頼さんは「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」(1980)の公認の国際版ポスターを担当した名匠なんですよ。

このポスターは名匠過ぎて、映画の実態を見事に覆い隠してます。

 

キングコング2_ポスター

もう失笑が絶えない出来なんですが、製作が大物プロデューサー、ディノ・ディ・ラウランティスが絡んでるだけあって、お金が掛かっているみたいで、実はスケール感や豪華さがあるんです。

(製作会社はデ・ラウレンティス・エンターテインメント・グループ、製作はこの映画の後にディノ・ディ・ラウランティスと結婚するマーサ・シュマッカー。)

 

話としては今回は悪役を、すぐに銃をぶっ放したがる天才バカボンのお巡りさんみたいな軍人に集約し、キングコングは犠牲者側に徹してるところは気になりました。

このため話が勧善懲悪っぽくなってしまい、元々オリジナルの「キング・コング」の頃からあった、「NYで暴れたコングが悪いのか、それとも彼をNYに連れてきてしまった人間が悪いのか」というドラマ要素を取り除いてるので、マイナス点と言えますが、娯楽作としての単純明快さ&分かり易さはありました。

なので、コングの恋愛部分を除けば話に無理矢理感は少なく、かなり普通の娯楽作のお話。良くも悪くも平均的です。

 

そんな定番的な話を大作御用達のジョン・ギラーミン監督(前作の「キングコング」も監督してます)はソツなく撮っていて、展開やテンポは悪くないです。

寧ろ、頑張っているなぁ、とさえ思えいました。

 

要はコング絡みのシーンが絶望的に残念過ぎるってことです。

 

キングコングの映画なのに、その主人公のシーンがダメっていうのは致命傷。

まさに「仏作って魂いれず」です。

 

主人公のキングコングに人工心臓を取り付ける女医を演じるのは、サラ・コナーこと、若き日のリンダ・ハミルトン。

「ターミネーター」(1984)と「ターミネーター2」(1991)の間に出演してます。

タフで、行動力のあって、男勝りの女医という役柄はうってつけでしたが、本人にとってはこの映画に出たことは黒歴史になってるかもしれませんね。

 

完全にモンスター映画マニア向けの映画。

「観た」というレア体験にしか価値がない作品です。

もし見たいという人は自己責任で。僕はちゃんと警告しましたよ(真顔)。

 

余談ですけど、オリジナルの「キング・コング」にも「コングの復讐」(1933)っていう続編があって、これはキングコングが見つかった髑髏島にキングコングの息子がいた、っていう話みたいです。(未見)

 

「キングコング2」の新品DVD/Blu-rayは入手困難です。

 

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