パグ太郎の<昭和の妖しい映画目撃者>

昭和の映画目撃談&時々その他いろいろ

【ピンク・フラミンゴ】史上最低のお下劣映画の真相はいかに

80年代からカルト映画好きのマストアイテムと呼ばれている奇作。

変態家族が変態ぶりを競うという、おかしな内容。

そして絶対的な存在感を放つ主演女優(?)

その映画こそカルトの金字塔ピンク・フラミンゴ(1972製作/1986日本公開)。

遂にその映画にチャレンジする時が来ました。

ピンクフラミンゴ チラシ

(あらすじ)

変態三昧がたたって偽名でトレーラーハウスで生活するディヴァイン。同居する家族も卵しか食べない母親、やることしか考えてない息子、覗きが趣味の娘と一癖も二癖もある。大衆紙が「ディヴァインこそ、世界で一番お下劣な人間」と評したことで、ある変態夫婦が対抗心を燃やした・・・

 

(予告編にはお下劣なシーンはほとんど出きませんので、悪しからず)


www.youtube.com

 

随分前から名前は知ってました。

多分、日本公開前から。

でも、勇気がなかったんですね。

そもそもレンタルビデオ屋でも置いてあるところは稀。

少なくとも当時僕が住んでいる家の近くのレンタルビデオ屋にはありませんでした。

(ここのレンタルビデオ屋には変な客がいたみたいで、普通のヒット映画を借りたら、映画の後半に裏ビデオがダビングされてたことが3回ぐらいありました)

 

そんなワケで今回、初体験してみました。

こんなに時間をかけてしまうなんてカルト映画オタク失格ですね。

 

見たのはノーカット・無修正版。

無修正版といっても、完全に無修正ではなく、何か所かボカしがありました。

それでも「あー、そこまで見せちゃうんだ」っていうシーンがあるので、見る時は要注意です。

それもエロさはゼロ

特にカップルで怖いもの見たさで見るとか、親がいるところで見るのは絶対に止めた方がいいです。

(勿論、恋人や親がこの手の映画好きのカルトマニアや変態さんなら話は別ですけど)

 

映画のテーマ(?)は変態合戦。

でもやってることは露出だったり、覗きだったり、と意外と小学生レベル

生肉を肉屋の店頭で股に挟んだりするのはちょっとどうかな?と思うのもありますが、ショッキングに思えるものはそんなにありません。

 

女性を地下室に閉じ込めて、子供を産ませ、その子供を売り飛ばす、っていうのに「うっ」とくる人もいると思いますが、ここ近年のゴア系や非道系の映画やネタを見慣れた目には、普通にブラックジョークに見えます。

 

僕が長年警戒していたような「見ていてシンドクなる」ようなことはないです。

(繰り返しますが、普通の人にはシンドイと思います)

 

ただし超有名なラストシーンは予想通り強烈でしたが。

(どんなラストシーンか興味のある方は、Wikipediaで調べてみて下さい)

 

期待してたより衝撃度は低くく、現代のサブカルチャーファンだったら、サラっと見られるんじゃないですかね。

 

確かにこの映画が作られた50年前は、かなりの問題作だったんでしょう。

でも50年の間にスプラッター映画が出来、更に進化したゴア系の残酷映画が出来、「JACKASS」のような超グロいおバカ映画が生まれたせいで、エログロ、変態度合いといったモラルのハードルが下がっちゃったんですねー。

 

そう考えると、まだそういう刺激に慣れていなかった80年代に、この映画を経験しておきたかったです。

もしあの時代に経験していたら、トラウマになったかもしれないし、人生変わったかもしれないと思うと、とても残念です。

 

しかし、この映画が「史上最低のお下劣映画」であることには変わりません。

モラルのハードルも今よりずっと高い70年代だったからこそ、生まれた映画でしょう。

だから反対にモラルが緩くなった今の時代に、同じような映画が生まれる可能性はないからです。

だから永遠の「史上最低のお下劣映画」です。

まさに70年代の文化遺産

だからと言って、皆様に見ることを勧めるワケではありません。

あしからず。

 

主演のディヴァイン(ドラァグ・クイーン)のインパクトありますね。

変態行為なしでも、巨体や奇抜なメイク、喋りや立ち居振る舞いで存在感は抜群。

この映画はDVDのジャケットやポスターも真っ赤なドレスを着た彼女一人姿ですし。

 

でも意外と変態プレーをするのは脇を固める人間が多く、彼女が出ずっぱりというワケではありません。

それでも見終わった後に残るのは、「ディヴァイン、見たいなぁ」という気持ち。

だからこの映画は「ディヴァインの映画」です。

 

ジョン・ウォーターズ監督が彼女(彼?)を主演に7本も撮ったのが分かる気がします。(最後の「ヘアスプレー」(1988)は普通のミュージカル)

ほとんどが「妖しい映画」のようです。

 

この「ピンク・フラミンゴ」も当然(?)AMAZON PRIMENetflix、U-Nextのサブスクにはありません。

近くのDVDレンタル屋にもありませんでした。

というワケで、今回も最終兵器「TSUTAYA宅配」を利用しました。

 

調べたところ、U-Nextのサブスクでは、この監督・主演コンビの「マルチプル・マニアックス」(1970)が見れるようなので、いつかトライしたいです。

 

ピンク・フラミンゴ」の新品DVDはあるようですが、結構いい値段します・・・